11月1日付けで逮捕された九州地方整備局の熊本河川国道事務所、防災課長の松下明敏容疑者は2008年4月1日付けから同事務所に赴任しており、九州管内各地の九地整事務所に2年から3年のスパンで異動していた様子。松下容疑者が熊本事務所の在籍期間3年6カ月という期間のみで、業者との強いパイプを構築したとは考えにくく、以前の出先機関でも業者との強い関連性を持っていた可能性は否定できない。
同整備局の中嶋章雅局長は「現時点では事実関係が不明であるが、昨年の不正事案の発生により、大きく損なわれた国民の信頼を取り戻すべく、本年3月に定めた再発防止策に基づく取組を強くすすめている現状において、当整備局に事務所管理職である職員が逮捕されたことは、極めて遺憾なことであると考えている。今後、捜査に全面的に協力するとともに、事実関係について確認のうえ、厳正かつ適正に対処して参りたい(原文ママ)」とのコメントを発表した。
昨年に続き、職員の逮捕という失態をおかした九地整。発注する側の強い権力にすがりつつも結局は振り回される業者にも非はある。だが、事件の再発を防ぐことができなかったことで、さらに国民の信用を失った。襟を正す覚悟がはたしてあるのだろうか。
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