中国国家統計局は9日、10月の消費者物価指数(CPI)の上昇率が前年同月比5.5%と発表、前月より0.6ポイント下まわった。これで伸び率は、3カ月連続の鈍化となり、5か月ぶりに5%台に下がった。
10月の工業生産は前年同月比13.2%増(9月は13.8%増)で、依然として高水準で推移しているが、こちらも今年に入って最も小さな伸びにとどまっている。一方、食品価格の上昇率は、前年同月比11.9%増(9月は13.4%増)。豚肉が約39%増、卵が約13%増と、中国国民の食卓の常連は、伸びが鈍化しているとはいえ、いずれも高いインフレ傾向が続いている。
インフレ抑制のための金融引き締めの効果やヨーロッパの債務危機が影響したと思われるが、景気の伸び悩みが強まっている。ただ、政府が抑制目標と掲げている「4%」に比べて、いまだ大きく上回っている状況だ。
ちなみに、前日のチャイナビジネス最前線で取り上げた、台湾出身の経済学者・郎咸平氏は、政府発表のGDPの成長率が9%で、インフレ率が6%増なら、実質3%程度の成長率しかない。もはや史上最低水準で、中国の経済は、深刻な状態だと述べている。ただ、インターネット上では、郎咸平氏について、テレビ番組のコメンテーターの経歴もあり、講演を盛り上げるための過激な盛り上げコメントだとする意見も多く、ネットに流出した講演の音声データ自体の信ぴょう性も疑われている。
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