FIFA女子ワールドカップで優勝した「なでしこジャパン」。美しく強い「なでしこ」はスポーツ界だけではない。今、閉塞感ただよう福岡経済界において、男性顔負けでバリバリと働くパワフルな女性たちにクローズアップし、毎回ひとりずつ紹介していく。第2回は、マニュライフ生命保険(株)で、プランライトアドバイザーとして勤める関戸秀子さん。保険業とライフワークであるボランティア活動についてインタビューした。
<人の支えで頑張ってこれた>
マニュライフ生命保険(株)で、プランライトアドバイザーとして勤める関戸秀子さんは、物腰の柔らかい知的な印象の女性だ。静岡市出身で、福岡県出身の夫との結婚を契機に、福岡県に住みはじめる。長男、長女の二子をもうけ、1981年から第一生命保険株式会社に営業職として入社。以後、28年間、今まで保険業界の仕事に携わってきた。
仕事を始めたきっかけは、夫が仕事の関係で保証人になり、結果、借金を背負うことになったことだった。夫ひとりの給料では返済が難しいため、関戸さん自身も仕事を探し始め、知人の紹介から保険会社の営業職として働き始めることになった。子どもがまだ小さかったため、計画的にスケジュールをたててやっていけ、成果主義の保険の営業職であれば、子育てと仕事の両立ができるように思えた。また、これでよい、という終わりが見えない仕事であったところにも関戸さん自身が魅力を感じていた。
しかし、はじめの7ヵ月間は、まったく成果が出なかったという。そのようななかで、プレッシャーに負けそうな思いもしたが、先輩の叱咤激励を受けて、言われるように頑張り続けた。すると次第に、少しずつ成果が表れてきた。
子どもがそれぞれ大学生、高校生のときに夫が他界した。それでも関戸さんは、女手ひとつで子どもたちの学費を稼ぎ、ふたりとも無事に大学を卒業。現在は、それぞれ結婚し、幸せな家庭を築いている。
仕事を振り返り、「どんな仕事も大変だと思いますが、保険業もなかなか大変な仕事。続かない方が多いので、私は長く続いているほうだと思います」と、関戸さん。関戸さん自身、仕事の厳しさから今まで何度も仕事をやめてしまうことも考えた。しかし、その想いをいつも押しとどめたのは、関戸さんの周りで支えてきてくれた仕事仲間に対する感謝の気持ちだった。
もちろん、大変なところばかりではない。「どうやって、自分を高めていくかということがすごく必要になってくる仕事です。ものを売るわけではない、形のない、言うなれば、その方の人生のプランを売りますので、自分自身が信頼される人間であり、しっかり相手に受け容れていただけないとできません」と、関戸さん。そこが、保険の営業職の「終わりのない」ところであり、魅力とやりがいを感じているという。
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<プロフィール>
関戸 秀子(せきと ひでこ)
静岡市出身。結婚を契機に福岡県へ移住。第一生命保険(株)16年、明治安田生命保険(株)6年勤めたのち、現在はマニュライフ生命保険(株)に勤め、6年目。一男一女の母。趣味はゴルフと音楽(シャンソン)。2010年6月から2011年6月まで、福岡ライオンズクラブ初の女性会長を務めた。
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