「大変な時代になりました!」と、近ごろ何人かの老舗人材紹介会社のコンサルタントが同じことを言っておりました。彼らは、自分たちの時代は終わったと思っています。
彼らは、業界経験がとても長く、コンサルティング能力も高いといわれている人たちで、実際に実績もあります。その彼らをしても、人材に出会えなければ、当然アドバイスができません。彼らの従来の仕事スタイルでは、もはや人材に会うことはできません。
現在、人材紹介会社のコンサルタントに要求されている最も重要な要素は、「コンサルティング能力」では断じてないのです。
一に、いかに「人材紹介会社のポータルサイト」のシステムを(技術的に)理解できるか。
二に、いかに文章を上手く書くことができるか。
三に、いかに20代、30代前半の人材と友だち付き合い感覚でアドバイスができるか。
以上が、「コンサルティング能力」より重要ということになります。
その理由は、人材・人材紹介会社・企業の三者とも「人材紹介会社のポータルサイト」で管理されているからです。
ここで、コンサルタントの1日から、上記の点を検証してみましょう。
コンサルタントは朝早く出社することが大事です。出社したら、すぐに「人材紹介会社のポータルサイト」を開き、人材からの"返信"をチェックします。これはコンサルタントが昨夜(夕方でなく深夜です)トモダチ感覚で打ったメールに対する返信です。
サイトによって違うのですが、システムの切り替り時に(深夜が多い)、メールを発信すると人材の目に止まりやすいと言われています。午前中や昼間のメールでは埋没してしまいダメなのです。
面白いことに、このシステムの詳しさを"売りもの"にしているコンサルタントさえいます。磨くところが違うので、コンサルティング能力のほうはまったく期待できませんが・・・。
<プロフィール>
富士山 太郎(ふじやま たろう)
ヘッドハンター。4,000名を超えるビジネスパーソンの面談経験を持つ。財界、経営団体の会合に300回を超えて参加。各業界に幅広い人脈を持つ。
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