<金利負担は少ないものの!!>
住宅ローンを3,050万円組んだ。夫婦別々のローンを組み総額3,050万円とした。ローンは5年間固定の金利0.975%、35年払いである。取り敢えず月額の返済は8万4,000円だ。子ども2人の4人家族で満足できる借家に住めば、そのくらいの家賃になるだろう。だが、問題なのは5年後には金利の見直しがある。金利0.975%よりは高くなるであろう(5年後に同様な金利水準であったら日本経済は最悪の事態だ)。
仮定であるが35年間0.975%の金利であれば3,050万円の元本に金利分1,000万円合わせた総額4,015万円となる。超インフレが来ないという前提で金利予測すると金利トータル支払い分は2,000万円内には収まるのではないか。物は考えようだ。35年間で元本の70%内に金利支払いで済むということは結構なことだ(元金払い・金利同一支払いローン)。
前回触れた筆者の住宅購入の場合には700万円のローンを組んだ。20年払いで金利返済総額は1,600万円の計算になっていた。総額2,300万円の返済を強いられるのである。住宅販売を促進させて日本経済を活性化せる政府のねらいは充分に理解できる。ローン金利を下げるだけ下げて購入者をその気にさせる。この政策は誤りではない。たしかに社員の新築祝いに出かけたときに隣、近所では10件ほど新築引っ越しの作業が行なわれていた。住宅が立つということは歓迎すべきことだ。
<住宅中古市場の抜本的テコ入れを!!>
この社員がもし10年後に住宅を手放す事態になったと想定してみよう!! 3,750万円の住宅の価値だが建物価格は2,200万円だったそうだ。10年過ぎると車の減価償却通りに計算されて半額になるのが中古住宅の相場である。土地代は1,550万円価格であった(70坪、坪当たり22万円)。筆者の見た手であれば15%高い。10年後に手放すような最悪の事態であれば不動産評価は下落するであろう。
まずは土地の目減りはゼロとして試算しよう。中古になった住宅評価が半減の1,100万円になる勘定だ。そうなると売り値は2,650万円になる。これも最大、甘くみた値付けだ。3,750万円で購入したマイホームを1,100万円損だして手放さなければならないのである。泣くに泣けない悲劇だ。この社員の場合は夫婦合算700万の頭金を入れていたからローンの残債からは免れる計算になる。頭金のゼロでローンを組んだとしたらこのシミュレーションからいえば450万円の残債が発生する勘定になる。
政府に進言したいのは中古住宅の相場価格の全面的な是正である。車と同様な減価償却(住宅の場合は期間が長いが...)を中古住宅では改めるべきだ。20年経過をすれば「あー、建物の評価はゼロですね」という業界常識を覆す制度を導入すべきである。そうしないと住宅購入者(景気浮揚貢献者)には苦労をかけることになる。
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