<九州人、麦より米へ>
1975年度の『麦味噌』の出荷数量は6万1,501トンであった。しかし、35年後の2010年度は2万1,589トンと、実に64.9%も落ち込んでいる。一方、『米味噌』は、2010年度の出荷数量34万5,739トンが35年前の1975年45万8,166トンと比べて24.6%減。『豆味噌(八丁味噌)』は、75年4万1,795トンから46.1%減の2010年出荷数量2万2,551トンであった。味噌のなかでも麦味噌の落ち込みぶりが激しいことがわかる。
全体的に味噌の出荷量が減少傾向にあるなか、唯一、伸びているのが『調合みそ』。で1977年度の統計で1万5,598トンだったのが、2010年度は4万2,855トンと実に2倍以上も伸びている。(上記数字は農水省「生産動態統計調査」、「全味工連集計」を引用)
実際に、九州地区では味噌汁は飲まれていないのか――。
総務省の「家計調査」によると、九州地区の味噌の購入数量(二人以上の世帯)は1971年度の統計で4,814グラムが、39年後の2010年度は3,178グラム(71年比34%減)と落ち込んでいる。しかし、面白いことに前年の09年度は2,643gだったが、500g近く上昇。「健康ブームに乗り、九州地区では売れたのではなかろうか」(食品関係者)という指摘もある。全国的にみても、味噌全体の数量が落ち込んでいるため、ほとんどが減少傾向にあるが、日本で最も人口の多い関東地区では71年度4,475gの購入数量が10年度は2,026gと実に64.8%と最も高い落ち込みを見せている。
要は味噌の消費量は減っているが、九州人は全国的に見れば味噌汁を比較的飲んでいる地域とも言える。麦味噌の味噌汁を飲まなくなり、米味噌の味噌汁を飲むようになっているということだろう。何故、麦味噌の味噌汁を飲まなくなったのだろうか?
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