11月20日の日曜日、福岡ソフトバンクホークスが中日ドラゴンズを3-0で破り、4勝3敗で8年ぶりの日本一に輝いた。開幕から好調にスタートを切ったホークスは、交流戦、リーグ戦に続き、クライマックスリーズを制覇。ついには、日本一に輝いた。しかも、全球団に勝ち越すという完全優勝は、史上初の快挙だった。
<かつてない補強で不安も>
昨年のオフシーズン。ホークスはかつてない補強に動き出していた。FA(フリーエージェント)で西武から細川を、横浜からは内川を獲得。さらに、オリックスからは、カブレラも獲得した。
一方で、前シーズンから在籍していた主力選手もほとんどが残留し「選手を集め過ぎてバランスが取れない」と懸念する声も聞かれていた。確かに、こうした選手が額面通り働くと、ポジションや打順を組む上で苦労するだけでなく、控えに回った選手たちから不満の声が上がり、チームに悪影響を与える場合がある。
しかし、いざシーズンが始まれば、故障した選手の代わりに若手が台頭したり、主力がスランプに陥った際には、他の選手がフォローをするなど、見事に機能した。これは、秋山監督を始めとする首脳陣のベンチワークと優秀な管理体制の賜物だろう。
さらにいえば、西武やオリックス時代は、ファースト守備を希望し指名打者を拒絶していたカブレラが態度を軟化させたことが、チームを多いに助けた。これは、ワガママばかりではスタメン落ちが危ぶまれる、ホークスの厚い選手層による意外な恩恵といったところか。
今年のホークスは実績と実力を兼ね備えたベテランや外国人選手が多かった。そして、それを見事に統率したキャプテンの小久保の働きは素晴らしく、日本シリーズMVPを受賞するに相応しい活躍だったと言えよう。
かつて、読売ジャイアンツが「4番打者ばかりを補強して打線が噛み合ってない」と揶揄された時期があったが、それとは違い、大型補強を機能させたことが、勝利に直結したのは疑いようがない。
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