11月20日の日曜日、福岡ソフトバンクホークスが中日ドラゴンズを3-0で破り、4勝3敗で8年ぶりの日本一に輝いた。開幕から好調にスタートを切ったホークスは、交流戦、リーグ戦に続き、クライマックスリーズを制覇。ついには、日本一に輝いた。しかも、全球団に勝ち越すという完全優勝は、史上初の快挙だった。
<苦しいリリーフ陣と安定感抜群の先発陣>
3月11日に発生した東日本大震災と福島第一原発事故の影響により、プロ野球は約1カ月遅れの4月12日に開幕した。
開幕前に、ホークスの絶対的守護神である馬原投手の最愛の母が開幕前に他界。同投手は、開幕のベンチに入ることができなかった。その後、悲しみを堪えつつ、チームに合流したが、4月23日までに3度の救援失敗を記録するなど、登板した全ての試合で失点。大不振に陥ってしまった。結局、5試合の登板で1勝1敗、防御率13.50。1セーブも挙げられないまま二軍に降格となった。
守護神の代役を務めたのは、ファルケンボーグと森福の両投手。しかし、ファルケンボーグには過去の故障歴から3連投はさせない方針のため、リリーフ陣に大きなシワ寄せがきた。結局、シーズン前半は抑えに苦しんだが、その状況を残った選手たちで乗り切ったことにより、「俺らもやれる」という自信に繋がり、結果的には、チーム力をさらに高めることとなった。
苦しい台所事情のリリーフ陣とは反対に、先発陣は開幕から「和田」「杉内」「摂津」「ホールトン」の4本柱がうまく回り、5番手の山田や岩嵜、大場に加え、終盤には大隣も復活するなど、ローテーションを崩すことなく戦うことができた。投手力でリーグを制覇した中日でさえ、年間を通じてローテーションを守ったのは、エースの吉見とチェン、ネルソンの3人だったことを考えれば、先発陣の安定が、圧倒的な強さの大きな要因になったといえる。反面、08年のドラフト1位・巽真悟投手は、2軍で11勝を挙げるほどの好成績を残したが、結局1軍で投げる機会を得られなかった。来年に期待したい。
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