福岡県柳川市出身の新大関・琴奨菊の活躍に街中が沸いている。大相撲十一月(九州)場所での初優勝を待ち望んでいたファンには、「お楽しみ」は持ち越しとなってしまったが、商店街では、横断幕や垂れ幕が掲げられ、活性化を帯びている。全国からの反響に多忙を極めるなか、柳川市長・金子健次氏に柳川市の活性化について話を聞いた。
――先日、大関 琴奨菊関の川上りパレードが、テレビ・新聞で大きく取り上げられ、また富士フィルムのCMがテレビで流れるなど、柳川が全国的に注目されています。そこで、これから柳川のイメージアップが大事になっています。今後どういう戦略をお考えでしょうか。
金子市長(以下、金子) 柳川市出身の琴奨菊関には、かねてより観光大使として本市のPR活動にご尽力いただいています。先日の大関昇進により、市内の応援はさらに熱を帯びており、琴奨菊関にちなんだ地元農水産物を使用した商品も開発・販売されていますので、これらを通じて市内特産品の売り込みを強化していきたいと考えています。本市のイメージアップの主な取り組みとしては、柳川ブランド確立を目的とした「柳川市地域ブランド戦略構想」を策定し、掘割を基軸とした地域ブランド化を進めるなかで、地域の活性化を図るとともに、地域イメージの向上に努め、市内への集客・交流人口の増加を目指しているところです。
――他にはどのような戦略をお考えでしょうか。
金子 市のアイデンティティとも言うべき掘割を守り育てるため、「掘割を生かしたまちづくり行動計画」を策定し、水環境の保全、水郷景観の継承に取り組んでいます。さらに、有明海や干拓、掘割など柳川独特な景観を生かしたまちづくりを進めるため、景観計画の策定作業を進めており、最終的には、柳川独特の景観を守ることを目的とした景観条例の制定を予定しています。本市の玄関口である「西鉄柳川駅」では、周辺の環境整備を進めています。駅東のエリアでは区画整理事業による住環境整備を進めており、乗降客の利便性を考え駅東口の開設を予定しています。また、駅西口においては、観光地にふさわしい玄関口としての整備を進めることにしています。来年(2012年)5月には、九州市長会が本市で開催されることになりました。九州各県の市長や行政関係者をおもてなしの心をもってお迎えし、柳川の良さを伝えPRしたいと考えています。このほかにも、様々な機会を通じて市のPRを進め、歴史的文化遺産である「掘割」の残る水郷柳川を全国に発信していきます。
――農業・漁業は柳川の基盤産業です。ブランド商品も増えています。12月3日に柳川ブランドショップ「おいでメッセ柳川」が辻町の商店街にオープンしますが、その狙いを教えてください。
金子 本市では、昨年2月に市内の6民間団体と「柳川ブランド推進協議会」を設立し、柳川のブランド化を進めております。これは、柳川の持つ自然や農水産物、町並み、特産物などをブランドイメージとして高めていくということです。同時に、その地域イメージを活用した商品開発や観光交流を通して、その価値を高めることで、産業の発展につなげていくことが狙いです。
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