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大関昇進に沸く柳川市、活性化につながるか?!~金子市長に聞く(後)
特別取材
2011年11月30日 07:00

 福岡県柳川市出身の新大関・琴奨菊の活躍に街中が沸いている。大相撲十一月(九州)場所での初優勝を待ち望んでいたファンには、「お楽しみ」は持ち越しとなってしまったが、商店街では、横断幕や垂れ幕が掲げられ、活性化を帯びている。全国からの反響に多忙を極めるなか、柳川市長・金子健次氏に柳川市の活性化について話を聞いた。インタビュー後編。

 ――「柳川ブランド」確立のために、地域イメージを活用した商品展開や観光交流を発展させていく。これは地域活性化において、非常に有効な手段だと思います。具体的にはどのようなことをお考えですか。

1129_kaneko.jpg 金子市長(以下、金子) このために、他の地域と差異化した「柳川オリジナル商品」の開発をしたり、既存商品をブランド認定したりして、観光客に喜ばれるブランド商品づくりをしています。また、柳川の特徴ある農産物の収穫体験や水産物の水揚げ見学など「体験・食・交流」をテーマとした「福岡発着のバスツアー」を実施して、福岡都市圏住民の方々と柳川市民との交流を図ることで、繰り返し柳川に訪れてもらう「柳川ファンづくり」も行っています。今回オープンした柳川ブランドショップ「おいでメッセ柳川」は、こうしたブランド事業の情報発信拠点として構えるものです。この店を起爆剤として、個々の商店などサービス産業と農漁業の1次産業とが連携協力することで、柳川の産業全体が活性化され、若者が夢と希望を持ちながら定住するまちづくりをしたいと考えています。そして、次の段階では、このショップを基点として、市内にブランドショップのサポーター店を拡大させ、将来的には、福岡都市圏へのアンテナショップ設置へと発展させていきたいと考えています。

 ――九州新幹線全線開業にともない筑後船小屋駅から柳川への路線バスの定期運行が始まっていますが、利用者が少なく市からの補助か、もしくは廃止が考えられます。新幹線効果で、特に関西方面などからお客を取り込めているのでしょうか。観光客を増やしていくための多面的な施策や体制が必要と思いますがいかがでしょうか。

 金子 九州新幹線全線開業によって九州の縦軸が整いましたので、地域としては、九州の横軸の強化、二次交通の充実が重要だと考えています。筑後船小屋駅へ路線バスは、地域住民の生活路線として、また駅利用者の利便性の向上と広域観光の振興を目的とし、筑後市、みやま市と連携し、九州新幹線全線開業に合わせて運行を始めました。10月現在の利用実績は1日平均37.1人ですが、利用者の利便性向上のためJR九州には停車本数の増便と日帰り2枚切符の継続販売を要望していくとともに、今後更なるPR活動に努め、お客様を増やしていきたいと考えています。九州新幹線全線開業によってマーケットが広がり、本市にも関東や関西など九州外からお越しいただくお客様の割合が高まっています。また、福岡を起点としたバスツアーでお越しになる割合が高まっている傾向です。

 ――交流人口の増加は大きな課題だと思いますが、どのようなアイディアをお考えでしょうか。

 金子 本年8月には鹿児島へ官民トップによるプロモーションを実施し、来年1月末ごろには中国地方へのプロモーションを計画するなど誘致活動も積極的に行っています。 また、修学旅行やアフターコンベンションの誘致にも力を入れているところで、九州新幹線を活用した企画を提案していきたいと考えています。最近は、目が肥えて旅慣れた個人客が増え、インターネットを使って自分で旅を決める時代、世界の観光地と柳川が比較される時代になりました。情報の量が増え、質が高まり、お客さまの生の声がすぐに伝わります。これまで柳川は「川下り、北原白秋、うなぎ、御花」の4つの柱で観光客を誘致してきましたが、今後はこの4つの柱を更に磨きあげるとともに、5本目、6本目の柱づくりが必要であると考えています。今年度、九州・福岡と本市の観光の第一人者にお集まりいただいて「柳川市観光まちづくり推進委員会」を設置、今後3年間のプランを検討していただき、受け入れ側の質の向上と体制の充実や、水郷柳川のブランド構築などについての提言をいただいたところです。この提言を受け、観光客を増やすための施策として、まずは、市民が柳川を愛し、誇りに思う「住んでよしのまちづくり」と、市民が地域の資源を活用してお客様の満足度を高める「訪れてよしのまちづくり」から進めたいと考えています。九州新幹線全線開業をきっかけに、点から線、面への展開が重要になってきます。10月31日には、筑後地域5市2町の官民連携による「筑後七国商工観光推進協議会」が立ち上がりました。地域に一人でも多くのお客様にお越しいただき、そしてお客様を地域全体で受け入れ、満足していただき、何度も足を運んでいただけるような地域づくりをしていきたいと考えています。

(了)
【柳川通信員】

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