FIFA女子ワールドカップで優勝した「なでしこジャパン」。美しく強い「なでしこ」はスポーツ界だけではない。今、閉塞感ただよう福岡経済界において、男性顔負けでバリバリと働くパワフルな女性たちにクローズアップし、毎回ひとりずつ紹介していく。第5回は、キャビンアテンダント(CA)の経験を生かし、東京、大阪、福岡、長崎、沖縄の5カ所でエアライン業界を目指す人のための専門校を展開する永江 靜加氏。自身がCAを目指すようになったきっかけ、起業時のエピソード、学生との関係などについても話を伺った。
<夢がもたらす力>
「ドラマ『アテンションプリーズ』を見た瞬間に、心のスイッチがON!になり、キャビンアテンダント(CA)を目指すようになりました。飛行機に乗るだけで世界中どこへでもいきたい所へいける、数時間後には見たこともない所で知らない人に会える、こんな素晴らしい、夢の様な仕事があるのかと思いました」と永江氏は語る。
当時の永江氏は進学校に通う高校生。特にやりたいことも、なりたいものもなく、学校に行って、帰宅して、刺激のない日々だったという。しかし、夢が見つかった瞬間に、やる気や情熱が出てきて、夢に向かってひた努力をはじめた。
<支えてくれた2人の存在>
「昔の私は今と正反対。声は小さく、猫背、根暗、コンプレックスの塊のようでした。そんな私が急に、「空を飛びたい」と言い出しましたから周りには絶対に無理だと反対されました」(永江氏)
そんな永江氏を一番支えてくれたのは母親だった。「今の貴方では絶対に無理。変わりたいと思ったら変われるのだから、本当にCAになりたいのなら、本気で変わりなさい。過去の自分は変えられないけど未来の自分はどうにでも変えられる。人生は一回きり、ダメ元だから、やってみなさい」とはっきり言ってくれた。そんな母親の後押しもあり、本気で勉強や自分自身を変えるための努力、自分磨きを行ったという。
先生に進路の相談をすると、「『心頭滅却すれば火もまた涼し』というように、人間はこれだと決めたことに対して一心に向かっていけば、やれないことはない。自分の夢を優先させろ」と先生も背中を押してくれた。
「その先生との出会いがなければ、私の夢は実現していなかったでしょう。『お前の人生は一回しかない、自分の人生を大切にしろと、自分の夢に向かって行け』と先生は母と全く同じ事をおっしゃってくださいました」(永江氏)
CAの試験倍率は、当時も今も変わらない100倍程度。100倍の倍率で戦ってCAになれたという喜びもひとしお。頑張れば何でもできるのだということに気づくことが出来たという。
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<プロフィール>
永江 靜加(ながえしずか)
(株)インターナショナルエアアカデミー代表取締役、同校学院長。福岡県出身。1974年全日空入社。CAとしてフライト後、84年CA養成校「インターナショナルエアアカデミー」を創設。世界のエアライン業界志望者の人材育成に力を入れるだけではなく、企業、大学をはじめとした接遇研修、夢、勇気、感動講演、ビジネスセミナー、コンサルタントを行うほか、シンガポール、マレーシア、香港、台湾、上海、北京などで「おもてなし魅力学」研修を行うなど活躍の場を広げている。著書に「感動」「幸せになる魅力学」。
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