<豊富な福岡産食材>
ニューヨークは、マンハッタンの美肌促進食堂「HAKATA TONTON」は、予約で2週間待ちの人気店だ。
人気メニュー「トントン美肌鍋」は日本でいう「モツ鍋」。コラーゲンたっぷりのだし汁にモツ、野菜、豆腐などがふんだんに盛り込まれている。オーナーのヒミ・オカジマ氏は福岡市出身。市内で複数の飲食店を経営したのち、ニューヨークに渡り2007年10月に同店を開き、繁盛店に仕上げた。
もちろん簡単にオープンできた訳ではない。「知り合いはいないし、商慣習は異なる。知ってて当然のことも知らず『本気か?』とも言われたこともあります」ただ、「ここで飲食店がしたい」と語るうちに思いが広がった。パートナーや仕入先など、次第に強力なネットワークが形成され出店にこぎつけた。「美肌」をコンセプトに打ち出すと流行に敏感なニューヨーカーはすぐさま反応。テレビ・新聞などマスコミの取材依頼も相次いだ。
店創りは屋号が示す通り「博多」にこだわったものになっている。壁の日本地図に博多の位置が示され、天井には山笠の写真パネルがはられている。豊富なメニューには「やまや」の明太子や玄界産のカンパチの刺身、「喜多屋」の日本酒と博多っ子にはおなじみのメニューが並び、調味液「ゆずすこ」まで揃える充実ぶりだ。
和食を渇望する邦人の喜びはひとしおで、約5万人といわれる「日本人コミュニティで知らない人はいないのではないか」と一流レストラン出身のマネージャー・ハギハラ・コージ氏は胸を張る。「日本で10店舗経営するより難しい」といわれるニューヨークでの飲食店経営について前出のハギハラ氏は、「(NYは)もともと日本の食文化に敬意を払う土地柄。逆にいえば明確なメッセージを打ち出せば受け入れてもらえる」と語る。
ニューヨーク有数の繁盛店が今日も世界に「博多」を発信している。
■HAKATA TONTON
61 Grove st New York NY 10014
212-242-3699
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