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大阪ダブル選から政治家が学ぶべきこと(中)~時代に沿った政治改革を
政治
2011年12月 3日 07:00

<選挙に勝つための「新しい政治組織のあり方」>

 今回の大阪府ダブル選で政治家が学ぶべき2つめのポイントとして、「新しい政治組織のあり方」がある。
 まず、今回の大阪市長選における橋下氏と平松氏の展開についてあらためて振り返りたい。「大阪都構想」という政策実現のために集まった地域政党・大阪維新の会を活用し、その政策の必要性を有権者に訴え続けた橋下氏。一方で、「既成政党、既得権益などの組織票をいかに集めるか」といった従来の集票活動と言える"組織固め"に注力した平松氏。この背景には、「地域政党と既成政党の対立」が見え、一見、組織力の優る既成政党が有利かと思われがちだが、今回の場合そうではなかった。

 「既成政党に対する不信感。政策理念、政治理念がないことを有権者に見抜かれてしまっている」という橋下氏。たしかに今回の選挙で、既成政党は政党の体をなしていなかった。その理由として、そもそも自民、民主、共産という政治理念も政策も違う政党がひとつになること自体、胡散臭い話なのである。政治ではなく、政局しか見ていない結果だとつくづく思う。とりあえず橋下を勝たせるわけにはいかないと、手を組んだに過ぎない。それぞれの軸のブレが、橋下氏のいう「不信感」を招く結果となった。

 これに対して大阪維新の会は、「大阪都構想」という政策実現のために集まった地域政党、と聞くと一見、新興勢力のような印象を受ける。たとえば、名古屋市長の河村たかし氏が率いる減税日本には、元市議が1名いるだけであとの27名はすべて新人。第1会派となったが、初心者集団といってもいいのかもしれない。

 一方で、大阪維新の会は、大阪府議では現職28名、元職1名、新人28名、大阪市議では現職18名、元職2名、新人25名。つまり、彼らの半数近くが、既成政党・既得権益などの「組織票をいかに集めるか」という従来の"組織固め"を中心とした選挙の経験がある現職議員ということになる。マニフェスト型の選挙のメリットやその使いどころがわかっており、同時に従来の選挙の弱点も理解していたのではないだろうか。

 ハイブリッド型だからこそ、大阪維新の会は躍進を遂げた。大阪春の陣と題した2011年の統一地方選挙で大阪府議会において過半数を獲得。また、大阪市議会と堺市議会では第1会派の座を獲得した。続く吹田市長選では公認候補が、守口市長選では推薦候補が当選した。今回のダブル選挙での当選はこれらの流れの先にから生まれたものである。

 メディア慣れしておりプロパガンダを得意とする橋下氏。さらには、「大阪都構想」という改革、一方で表には出にくいところで抑えるべきポイントを押さえていた。ここに今後の選挙の実施方法、特に地方首長選などで活用できるたくさんのヒントがあると思う。

 今の体制を正そうと、一人御旗を立てるのもいいが、政治は数の論理でもある。しっかり、勝つための戦略をしっかりと考え、組織をつくっていかなければ選挙では勝てない。つまり、自分の正義を貫き通せないのだ。政治家は選挙で落ちたらただの人、と
はよく言ったものである。

大阪維新の会...


(つづく)
【大屋 徳寛】

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