(以下の文章は一般社団法人市民講座運営委員会発行、『住宅塗り替え工事で失敗しないために読む本』から引用しています。)
クレーム事例研究 営業時の担当者の説明は的確ですか?
発注者と実際に施工する職人との間に立つ担当者に、塗装の専門知識がないというケースは多くあります。リフォーム工事全体のことは広く浅く知っていても、その中のひとつである塗装工事について掘り下げた質問をされても答えられないのです。実際の工事自体も、外部の塗装工事者に丸投げしていることも多いため、結局は「担当者が営業時に言っていたことと、工事の現場でやっていることが違う」「要望がちゃんと現場に伝わっていない。こんなはずじゃなかった」というクレーム事例に発展する事が多々あります。別の例を挙げるとすれば、ワインに詳しくないフランス料理店の店員に、大事なワイン選びを任せてしまい、結局は料理の味と合わずフルコースがすべて台無しになってしまうのと同じようなものなので、クレームとなって当然ともいえます。
塗り替え工事は、住宅を長く大切に使い価値を守るために行う10年に一度の重大行事ですから、専門知識のない担当者が間に立つということは、大変恐ろしいことなのです。塗装についての詳細な説明をしない担当者や、質問に対して迅速に的確に答えられない担当者に依頼した場合は、その塗り替え工事自体が失敗に終わる可能性が高いと心得ておいた方がよいでしょう。
また、そのような担当者の大半は、質問がある度に専門業者に質問しています。こうなるともはや伝言ゲームの状態です。しかも、発注者の質問の意図を的確に汲み取ることができているかも分かりません。なぜなら、その担当者が塗装のプロではないからです。大切なのは、塗装についての豊富な専門知識と経験をもつ塗装専門の担当者と直接やりとりを行うことです。そうする事で質問にきちんと答えてくれるだけでなく、その住宅の状態に合った最良の塗り替え工事を提案してくれることでしょう。
【今回のポイント】
■知識の無い担当者の場合、営業と現場の違いが生じる
■専門知識が無い担当者は工事を丸投げにする可能性が高い
■専門の担当者であるかどうか確認して発注すること
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