FIFA女子ワールドカップで優勝した「なでしこジャパン」。美しく強い「なでしこ」はスポーツ界だけではない。今、閉塞感ただよう福岡経済界において、男性顔負けでバリバリと働くパワフルな女性たちにクローズアップし、毎回ひとりずつ紹介していく。第5回は、自身のキャビンアテンダント(CA)の経験を生かし、東京、大阪、福岡、長崎、沖縄の5カ所でエアライン業界を目指す人のための専門校を展開する永江 靜加氏。自身がCAを目指すようになったきっかけ、起業時のエピソード、学生との関係などについても話を伺った。
<学院長であり、みんなのお母さん>
10月31日はハロウィン。インターナショナルエアアカデミーでは永江氏も学生も変装し、ハロウィンパーティーを開催していた。永江氏は学生とコミュニケーションを取ることを意識しているという。
「私は学院長です。偉い人と思われているかもしれませんが、そんなことありません。私はお母さんで、みんな大事な可愛い息子、娘ですから、コミュニケーションを非常に大事にしています。パーティーでコミュニケーションだけでなく、喜ばせることを学んでもらいます。サービス業は喜び、満足、感動をお客様に与えるという仕事です。サービスには答えがありませんから、様々な工夫をしながら学んでもらいます」
普段からも学院にいるときは、なるべく学生と触れ合うようにしたり、手紙を交換しあったり、交換日記をしたりとコミュニケーションも様々。ハロウィンパーティーは大盛況だったようだ。
<この仕事が大好き!>
「この仕事は、夢、希望、感動、勇気を与える仕事です。航空業界へ憧れていた子たちが、航空会社へ羽ばたいていきます。夢を叶えてあげるというのは、その子の人生まで抱え込みます。こんなに嬉しいことはないですね。また、現在は後継者への研修も行なっています。会社にお父さん的存在はいても、母親的存在がいないケースが多いようです。私は母親的存在として、後継者候補の方をお預かりし、人間力の指導をします。人間力がなければ、社員の方、部下の方は付いて来ませんから、徹底してマンツーマンで指導します。一生面倒をみる非常にやりがいのある仕事です」(永江氏)
今年で28年目となった、インターナショナルエアアカデミー。今が充実している永江氏は、「若いころには戻りたくない」と話す。
「今が非常に充実しており、仕事が非常に楽しいです。いろんな人に逢えますし、年齢を重ねるごとに動きはさらに活発化していくかもしれません。パワーの源は、楽しいという気持ちです。この仕事が大好きですし、本当にやりがい、生きがいを感じています。好きという気持ちがあれば、どんな大変な仕事でもどうってこと無いです」(永江氏)
人前で話すことが苦手だった29歳までの永江氏は、30歳からは人前で話すことが大好きになった。今は人生を2倍楽しんでいる、その気持ちが、永江氏の原動力になっている。
≪ (中) |
<プロフィール>
永江 靜加(ながえしずか)
(株)インターナショナルエアアカデミー代表取締役、同校学院長。福岡県出身。1974年全日空入社。CAとしてフライト後、84年CA養成校「インターナショナルエアアカデミー」を創設。世界のエアライン業界志望者の人材育成に力を入れるだけではなく、企業、大学をはじめとした接遇研修、夢、勇気、感動講演、ビジネスセミナー、コンサルタントを行うほか、シンガポール、マレーシア、香港、台湾、上海、北京などで「おもてなし魅力学」研修を行うなど活躍の場を広げている。著書に「感動」「幸せになる魅力学」。
*記事へのご意見はこちら
※記事へのご意見はこちら