「就任1年目を振り返って、自己採点すると120点。よくがんばったと思います」。6日に福岡市役所にて行なわれた定例記者会見で、自画自賛する高島宗一郎市長の姿をテレビや新聞報道で多く目にした。そして、多くの人が、自分自身に対して最大級の賛辞を送る若きリーダーに違和感を抱いたことだろう。
高島市長を語る上で外せないキーワードは「発信力」。同市長は、定例会見でも「当初は、市民に対する発信のみを考えていた。しかし、自分のプレゼン力が国からの支援を勝ち取るためにこれほど有効だとは思わなかった」と、1年目を振り返った。
しかし、高島市長の発信力は、危うい情報も強力に伝えてしまう諸刃の剣でもある。前出の「120点」発言もそうだ。高島市長は、この点数を加点方式ではなく、減点方式で付けたという。減点の基準は、「常に福岡市のことを考えに考え抜いて生活していたか、スピード感を持って仕事に取組むことができたか」とのこと。しかし、「自己採点で120点」などと発言して、そこだけを切り抜かれてしまえば、市民には「市長は、公約の達成率を根拠にした加点方式で採点した結果、120点を付けた」という誤った認識で伝わってしまうのではないだろうか。
高島市長には今後も、自慢のプレゼンスキルを福岡市民のために役立ててほしいところであるが、そのサービス精神が仇とならないよう祈るばかりだ。
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