(以下の文章は一般社団法人市民講座運営委員会発行、『住宅塗り替え工事で失敗しないために読む本』から引用しています。)
クレーム事例研究 工事の後も頼れますか?
塗り替え工事の瑕疵(かし)は、工事が完了してしばらく経過した後から発生する事が多いのです。その問題に気付くことなく放置された大きなクレームに繋がるのは、工事後のアフターフォローを徹底していない「その場しのぎ」の業者が多く存在しているからです。
そのような業者は、工事が進んでいくうちに発注者側が不安を覚え、色々と質問や相談をしても、何の根拠もなく「大丈夫です」と言います。アフターフォローについて明記された書面がない限り、その言葉はごまかしに過ぎません。
住宅のメンテナンスの要である塗装工事は、塗り終わったら終わりではなく、塗り終えてから次の塗り替えまでの長いお付き合いが、発注者と業者間では大切になります。しかし、有効な保証書もなく、「大丈夫です」と言って発注者側を言いくるめようとする業者には、最初から長くお付き合いする気持ちはないと考えた方がよいでしょう。
そのような業者に限って、いざ問題が起きたときには、言葉巧みに言い訳をし、結局は何もしてくれないというクレーム事例も頻繁にあります。「何かあればちゃんと対応します」という口約束を信じても、実際に不具合が生じたときには、何に役にも立ちません。色々ともめた結果、最終的にはまったく別の業者に補修を頼み、お金を支払ったというケースも多々あります。高い金額を再び支払わなければならない費用面での発注側の負担は非常に重いものです。
「高い金額も支払うし、当然アフターフォローもやってくれるだろう」という考えは、大きなクレームのもととなります。信頼して任せた業者かもしれませんが、有効な保証書の提出がない限り、確実に信頼できるとはいえません。
長いお付き合いが大切な工事あるにも関わらず、アフターフォローについての意識が低い業者が横行しているのが現状なのです。だからこそ発注者側も積極的に、有効な保証書の発行とその内容を確認の上、業者とアフターフォローに対する意思統一を行っておく必要があります。
【アフターフォローにおいてトラブルを回避するポイント】
■塗り替え工事の瑕疵は、しばらく経過した後から発生することが多い
■工事業者からの有効な保証書の提出
■定期的な点検とアフターフォローが実行される体制の確認
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