<くまモン、銀座でも大人気>
百貨店や電機店などが初売りにさまざまな趣向を凝らすなか、5日、初売りを行なった熊本県のアンテナショップ銀座熊本館が、多くの人手でにぎわった。
その理由は、ゆるキャラの「くまモン」だ。午後1時、くまモンの登場で、一時、ちょっとした交通整理が必要になるほどの人だかり。くまモンと一緒に写真撮影をする家族連れ、ゆるキャラファンの主婦、子どもらが続々と集まり、銀座館前でプチ撮影会となった。銀座熊本館は、有名百貨店の集まる数寄屋交差点すぐの好立地。普段から人通りは多いが、地方の名産物などを売っている県や地方のアンテナショップに、歩道を歩けなくなるほどの人だかりができることは、めずらしい。
銀座熊本館のスタッフは「昨年の初売りにもくまモンは東京に来たのですが、その時は、まだ知られていなかったので誰も見向きもしてくれなかった。今年は、1年前と全然違うのでびっくりしています」と、くまモンの奮闘ぶりに目を細めた。
<地方経済を元気に>
いまや、芸能人なみのハードスケジュールで仕事が入っているというくまモン。昨年の時点では、一地方のゆるキャラにすぎなかったが、九州だけでなく、首都圏、関西など全国で活動したことで知名度は、うなぎ上り。昨年11月に行なわれた「ゆるキャラグランプリ」で全国349キャラのなかで、堂々の優勝。滋賀県彦根市のひこにゃんに続き、一躍、東京でも大人気の全国区キャラクターに成長を遂げた。
昨年9月、熊本県の食をPRするため、「ゆるキャラから売るキャラへ」を目標に、熊本県営業部長にも就任した。熊本県の全国へのPR効果は抜群に大きく、球磨焼酎など県の名産品だけでなく、くまモングッズの売り上げも伸びている。関連グッズの売り上げ高は昨年、10億円を上回った。
日本経済が底冷えのなか、地方経済も一層、厳しい冬の時代。くまモンは、オフィシャルサイトの年賀状で「みんなをハッピーにするんだモン!」と、意気込んでいる。地方のゆるキャラから全国区にのし上がったくまモンが、2012年も熊本経済を暖かくしてくれそうだ。
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