2011年、タウンページ協賛の「ゆるキャラ(R)グランプリ」で1位となった熊本県のゆるキャラ「くまモン」が全国区で大人気。同県の各種PR活動で活躍するほか、グッズの売上なども好調だ。先にヒットした滋賀県彦根市の「ひこにゃん」には、1万通を超える年賀状が全国から寄せられるという。今や「ゆるキャラ」は、決して無視できない経済効果を生み出すコンテンツのひとつである。
意外と知られていないが、福岡市にはやたらと「ゆるキャラ」がいる。同市広報課では、「ゆるキャラ」ブームにともなう問い合わせに対応するため、市および外郭団体のマスコットキャラクターを調査。それにより、全39種類、うち着ぐるみがあるものが15種類あることが判明した。
着ぐるみがあるもののうち最年長者は、同市の外郭団体・福岡市防災協会の防火・防災のシンボルマークとして1992年に産声をあげた「ファイ太くん」。最も新しいものは、福岡市教育委員会のキャラクター「スタンバード」。このほか、保健福祉局「よかろーもん」、環境局「エコッパ」、経済振興局「ペラ坊」、住宅都市局「グリッピ」、港湾局「ポートくん」、水道局「水道ボーイ フクちゃん」、交通局「ちかまる」「メコロ」と市各局だけで8体。これに外郭団体・(株)福岡タワーの「フータ」という充実のラインナップだ。
また、南区「ため蔵」、城南区「ニッコりん」「ワルもん」、早良区「ぴかりん」など、市各区にも「ゆるキャラ」の着ぐるみが存在。高島宗一郎福岡市長のもと、コンテンツ産業に力を入れるとともに、交流人口を増やし「稼げる都市」を目指していく福岡市。当たれば大きく、コストパフォーマンスも高い「ゆるキャラ」への注力にも期待したい。
そこで、ひとつの提案。「15」という数と「福岡」から連想されるのは、1チーム15人で行なわれる、福岡で盛んなスポーツ「ラグビー」だ。今年(12年)の第91回全国高校ラグビー大会では、東福岡高校(福岡市博多区)が3連覇の偉業を達成。昨年は、全国中学生ラグビー大会で春日リトルラガーズ(春日市)が優勝。そして、同年の10月28日から11月4日まで、35歳以上のラグビー愛好家が世界中から集う国際大会「2012ゴールデンオールディーズ ワールドラグビーフェスティバル福岡」が開催される。
2019年に開催が決定しているラグビーW杯の福岡誘致への期待も高く、積極的なPRが求められる。福岡市「ゆるキャラ・フィフティーン」として、「オール・フォー・福岡」の活動を行なえば、世間の関心も高まり、誘致の後押しともなるのではないだろうか。
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