福岡県と佐賀県は、北部九州における燃料電池自動車(FCV)および水素供給インフラの普及に向けて、共同で「北部九州燃料電池自動車普及促進構想」を策定。2月1日に福岡で開催された「水素先端世界フォーラム2012」にて発表した。
同構想は、産学官が連携し、北部九州におけるFCVおよび水素供給インフラの自立的な市場を率先して立ち上げることで、エネルギー需給の安定化や地球温暖化対策に貢献するとともに、FCV関連産業の育成や集積を進めることを目的としている。
構想では、普及に欠かせない水素ステーションについて、まず2015年までに、FCVユーザーの出発地となる都市部のほか、高速道路の主要パーキングエリア、広域的に移動する際の目的地となる重要地点での設置を行なうとしている。そして、その後20年までには、都市間幹線道路の中間地点のほか、主なバス営業拠点などへの拡大を目指している。
北部九州地域は、アジアの玄関口であるほか、研究開発拠点や製造業が集積しており、産学官の連携体制も含めてFCV生産拠点としての必要な条件が整っている。また、水素の製造から輸送・貯蔵、そして利用までを一貫して支援する取り組みである「福岡水素戦略」などの実績もあることから、日本におけるFCVと水素供給インフラの自立的な普及に向けての、先導的な役割を果たすことができるとしている。
昨年発生した東日本大震災後の福島第一原発事故の影響などにより、日本のみならず世界的にも"脱原発"の動きが高まっており、原子力に代わる新たなエネルギーが何かと注目を集めている。福岡・佐賀両県で取り組んでいるこの水素エネルギーへの取り組みが、世界の新エネルギー分野を先導していくことを期待したい。
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