<途中結果は非公表>
消費者庁の公募事業「食品の機能性評価モデル事業」の報告書の締切り(3月16日)が約1カ月後に近づいてきた。同事業の結果によっては、健康食品・サプリメントの機能性表示を認める仕組みが確立される可能性もあり、業界や消費者からも注目を集めている。また、その結果発表の時期や内容をめぐり、消費者庁には問い合わせが相次いでいる。
同事業は、消費者庁の「健康食品の表示に関する検討会」の論点整理の一つ「一定の機能性表示を認める仕組みの研究」に基づくもので、健康食品の11成分の機能性について海外・国内の文献を含めて調査し、海外の制度を参考にしながら総合評価するというもの。
同事業を落札した公益財団法人 日本健康・栄養食品協会(日健栄協)は、協会をあげて同事業を最優先事項として取り組んでおり、作業はおおむね順調に進んでいるといい、現在は「評価パネル」による機能性最終評価、機能性表示モデル提言、機能性評価報告書作成の段階に来ている。
現段階で報告書の原案は完成しているとみられるが、日健栄協は関係者に対して緘口令を敷き、途中結果を一切発表しないため、報告書の内容については、消費者庁の発表があるまでわからない状況だ。
<発表は4月以降か>
気になる発表の時期だが、3月16日の締切り日かその数日前までに、日健栄協が消費者庁に報告書を提出し、その後に消費者庁が発表することになる。消費者庁は「発表時期は未定」としている。日健栄協も「報告書の量を考えると、数日後の発表は難しい。かなり時間がかかるのでは」としており、現実的に発表は4月以降になるもよう。
最も重要なのは発表内容だが、日健栄協は「仮に評価が悪い成分があったとして、結果の上辺だけが発表されてしまったら、結果だけが一人歩きしてしまう。消費者庁には結果報告書を慎重に取り扱ってほしい」と釘を刺した。
消費者庁の担当者は「発表内容は未定」とし、あくまでも私見としながら「今回の事業は消費者も知りたい情報でもあり、何らかの発表はあると思う」と述べた。
消費者を守る立場にある消費者庁が、消費者の税金による、消費者の知りたい情報を、消費者に伝えないというのでは、その存在意義はなくなってしまう。報告書がどのような結果になっていたとしても、消費者目線に立てば、結果が公表されるのは当然のことだろう。
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