消費増税の論議もいよいよ大詰めを迎え、野田政権はその政治的責任から総辞職か、衆院解散・総選挙か、予断を許さない状況になってきた。これを受けて、現職以外の候補予定者の顔ぶれが定まっていない福岡市都市圏の衆院選小選挙区(1区・2区・3区)では、候補者選びが一気に加速すると見られている。
なかでも一番動きのあるのが3区(福岡市早良区・西区、糸島市)だ。民主党現職・藤田一枝氏に対して、自民党の候補者が決まる前に、みんなの党・寺島浩幸氏(福岡市議・西区)が名乗りをあげた。
これに対し、自民党は現職県議(南区)・官僚・女性新聞記者のいずれかになると噂されているが、現時点では南区の県議が最有力という見方も。一方で、みんなの党の参戦を受け、国政におけるキャスティングボードを死守したい公明党にも動きがあるようだ。
保守が多いといわれてきた3区だが、昨今ではその状況に変化が見られる。前回(2009年)の衆院選における3区の開票結果では、『政権交代』の追い風もあったものの、全地域において、藤田氏が当時の現職・太田氏を上回る票数を獲得した。保守の地域と言い難くなっている感もあり、民主・自民・みんな・公明の4者が対立する構図となれば、混戦は避けられないだろう。
一方、2区(福岡市中央区・南区・城南区)では、民主党現職・稲富修二氏、自民党から元職・山崎拓氏の出馬が噂されています。一時、「自民党は中央区の現職県議」という噂もあったが、山崎氏の意欲が冷めていないこと、そして何より現職に対する批判の裏返しで、山崎氏の復活を望む声が高まっている。
批判を受けている現職の最近の行動とは、「当選したとたんにあいさつに来ない」「いなとみ事務所は仕事を福岡に落とさず、インターネットで県外に発注している」など。さらには、「南区・高宮校区(2区)に長く住んでいる山崎氏とは違い、福岡県大野城市出身で落下傘的に前回出馬した稲富氏に2区(中央区・南区・城南区)を愛する気持ちを求めること自体が無理だ」というあきらめの声まで。
この2区の状況に、「第3極」と呼ばれるみんなの党や大阪維新の会の動きは、まだ見えてこない。具体的な候補者の話は聞かず、有権者の間からは「既存政党の民主か自民の二択しかないのは不幸だ」「民主も自民も(選択肢として)ない」などと、年代を問わず第3極への期待をうかがわせる反応が見られる。
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