福岡市が約1億5,000万円を補助し、西日本鉄道(以下「西鉄」)が24日から運行する2階建てバス(FUKUOKA OPEN TOP BUS)に、市民から疑問の声が噴出している。同バスは1日10便、福岡市内を3コースにわかれて周遊。発着は福岡市役所前となっている。乗車券は1,500円(小学生以下750円)。
市民の間で、よく聞かれるのは「利用者はいるのか?」という素朴な疑問だ。「そもそも事業として成り立つのなら、市の補助金は要らないはず」と、税金が投入されることに関して厳しい指摘もある。西鉄の赤字路線に市が金を投入することを知っている市民は少なくはない。たしかに、生活に必要な交通手段の確保は市民の暮らしを預る行政の役割だが、今回の2階建てバスは、少なくとも生活に必要なものではない。
福岡市は、西鉄が昨年(2011年)10月から試験運行を始めた「国道202号福岡外環状線」を運行する路線に対し、4月から公共交通の利用を呼びかける広告(1,150万円)を出す。同路線は当初の見込みよりも利用者が少なく、実質的に市が補助するかたちと言える。広告には「公共交通(路線バスや鉄道)を利用しましょう」などと書かれるという。
市民が懐疑的な目で注視している2階建てバスでも、"利用を呼びかける市の広告"が出ないことを祈るばかりだ。
福岡市民がインターネット上で積極的に意見交換をしている場がある。実名登録制のソーシャルネットワークサービス「Facebook(フェイスブック)」上に作られたグループ「市民政治の会ふくおか」では、福岡市政に関するさまざまなテーマについて自由闊達な議論がなされている。今回の2階建てバスについては、前出の「市の補助金は要らない」という指摘をはじめ、「ムダなことに税金を使ってほしくない」といったコメントも寄せられていた。同グループの参加者は増加傾向にあり、福岡市政に対する市民の疑問が強まっていることを感じさせる。
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