きょう(26日)、福岡県は可燃ゴミの処理施設を持つ自治体などを対象に、東日本大震災被災地のがれきの受け入れの検討を要請する説明会を開催する。
同説明会の日時・場所については、「受け入れに反対する県民の妨害が予想される」(県廃棄物対策課)ことを理由に非公開。任意の組織である「記者クラブ」のみに、"正当な根拠もなく"限定し、それ以外の取材を禁止した。
県側の意向が強く働く、まさに『密室』で行なわれる説明会。反対する県民はもちろんのこと、がれきの受け入れに対する不安は募る一方だ。
今回、福岡県が検討を要請するのは、国が全国の自治体に受け入れを要請している岩手県・宮城県のがれき400万トンの一部で"焼却が可能なもの"といわれている。ただし、福岡県には焼却後に出る灰を埋め立て処理する管理型最終処分場は、同県から出るゴミだけでも残余量が5年ほどしかなく、被災地がれきの焼却灰を受け入れる余裕はない。
福岡県議会・厚生労働環境委員会(3月19日)で、民主県政クラブ県議団の原中誠志県議(中央区)が、がれきの焼却灰の処理について県廃棄物対策課に確認したところ、灰については被災県で処理してもらうとの説明があったという。要するに、被災地のがれきを福岡県で燃やし、その灰を被災地に送り返すということだ。この点について、実際に受け入れる市町村に対し、どのように説明するかがポイントとなる。
一方、受け入れるがれきに対して、県として放射能のチェックをどのようにするのかはまだ判然としていない。原中県議は、「基本的に福島県以外のがれきを受け入れるとはいえ、被災地からの持ち出しと受け入れの際、そして焼却後の灰について、幾重にもチェックすべきです」とコメント。放射性物質の拡散に対する不安が現実として広がっている以上、しっかりとしたチェックとその説明が必要と考えている。
25日、細野豪志環境大臣は福岡市を訪れ、小川洋福岡県知事と高島宗一郎福岡市長と会談。被災地のがれき受け入れについて理解と協力を求めた。その際、小川知事は、「何よりも、市町村の協力と"住民の理解"が不可欠」と答えている。はて、事実上の『密室』で行なわれる説明会は、住民の理解を得るどころか、不安を一層あおっているようにしか思えないのだが――。
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