＜地元有権者「みっともない！」＞
　福岡地裁は27日、民主党の古賀一成衆議院議員に対し、元事務所長の男性が2010年７月に起こした賃金未払い訴訟で360万円の支払いを命じる判決を下した。古賀氏は「納得できない」と、徹底抗戦の構え。判決の翌日（28日）に控訴しており、地元有権者からは「みっともない！」と、あきれた声もあがっている。

　同訴訟では、元事務所長が古賀氏に対し、慰謝料や未払い賃金など計1,140万円の支払いを求めていた。古賀氏側は元事務所長と結んでいたのは雇用契約ではなく、解雇通告が必要ではない業務委託契約であると主張。「信頼関係が崩れて解約した」としていたが、裁判官は雇用契約と認定し、権力の乱用を指摘したうえで解雇は無効と判断。ただし、慰謝料は認めず、１年間の給与（月額30万円）の賠償が妥当とした。

　控訴に至った件について古賀氏の地元事務所は、「代議士の個人的な話なので何もお答えできません」とコメント。一方、古賀氏の選挙区である福岡６区（久留米市、大川市、小郡市、うきは市、三井郡、三潴郡）の有権者からは、「そんなこと（雇用訴訟）で目立つより、もっと政治的なことで目立ってほしい」と、嘆きの声も聞かれた。

　古賀氏は、09年８月の衆議院総選挙で、鳩山邦夫元総務大臣と激しい選挙戦を繰り広げた。あれから約２年半、鳩山氏は「平成の龍馬」を自称し、自民党を離党。最近では、久留米を舞台にしたラーメン映画にエキストラ（台詞アリ）で出演するなどで地域に貢献するも、坂本龍馬をほうふつとさせる大活躍は残念ながら見られない。

一方、政権与党側の古賀氏だが、10年11月の福岡市長選で、民主党推薦の現職候補陣営を指揮する立場にありながら、選挙戦の真っ只中に11年４月の福岡県知事選への出馬意思を表明。党県連の代表であり、候補者選定委員長という立場にあったこともあり、周囲をたいへん困惑させた。その後、同市長選の敗戦の責任をとるかたちで県連代表を退いている。

　互いに精彩を欠く状況と言えるが、政権交代の追い風が吹いたなかでも小選挙区で鳩山氏に敗れた古賀氏。解散総選挙の足音が近づくなか、力を入れるところが違うのではないか。地元ではすでに"あきらめムード"も漂っているようである。

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