<しのぎ削る「地域選定」>
全国では大阪、東京、沖縄など多くの自治体で、カジノ創設を要望する声が上がっている。千葉市、北九州市などカジノに関するリサーチを行なっている自治体は多い。木曽氏は「3つの枠を10以上の自治体で争うことになる。大阪では、橋下市長がはっきりとカジノ創設を目指すと声を上げている。首長がはっきりと明言しているところはほかにない。旗振り役の声が大きい大阪は、強いのではないか」と話す。カジノを地域経済活性化の起爆剤にしようと狙う自治体は多く、合法化された場合、「地域選定」が、し烈な争いとなるのは間違いなさそうだ。
すでに水面下では各地で火花が散っている。その中でも激戦区となるのが、九州だ。
<大激戦の九州地区>
長崎のハウステンボスの経営状況を改善させたHIS。宮崎のフェニックス・シーガイア・リゾートの運営会社フェニックスリゾートを買収したセガサミーホールディングス。九州での2つの勢力が、がっぷり4つの状態。セガサミーの里見治会長兼社長は、4日にシーガイアで行った記者会見で、合法化されれば、シーガイアの施設内にカジノを創設したいと前向きな姿勢を見せている。
一方で、ハウステンボスは、長崎(ハウステンボス)―上海間の船上でのカジノやテーマパーク内でのカジノ導入に早くから意欲を示していた。佐世保市の商工会議所を中心とした西九州統合型リゾート研究会が、カジノ創設に向けて具体的な計画を練っている。この2つだけでなく、福岡市も東アジアとの交流を進めるため、船上カジノを持つ大型観光船の寄港が可能となるようにカジノ合法化に興味を示している。
木曽氏は「沖縄からも希望の声は上がっている。ほかの地域も含めて、法案ではまず3つの地域にカジノを作ることを目指していますので、地域のバランスを考えると、九州では1つしか作ることができない。規模などから考えると、ハウステンボスとシーガイアが有利だと思っています。この2つで、最後までガチンコの勝負になるのではないか」と分析する。
「創設の地にどの地域を選ぶのか」は、成功への重要なカギを握る。権利を巡って激しい争いが繰り広げられることになりそうだ。
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