17日、福岡市が100%出資する外郭団体「福岡市土地開発公社」の佐藤敬三用地係長が収賄容疑で逮捕された。これを受けて、18日未明に緊急記者会見が市役所内で行なわれ、同公社の阿部亨理事長などが会見に応じた。
一夜明けて、朝から「職員逮捕」が各メディアを賑わすなか、市役所は普段通りの業務を開始したかのように思えた。数日前から職員に対する捜査がなされているという噂が流れていたようで、心の準備ができていたのかもしれない。
沈黙を破ったのは、福岡県警が道路下水道局用地部と福岡市土地開発公社に、各々10名ほどの捜査員を送り込んだ午前11時前。市役所内にタダならぬ空気がもたらされた。
とくに、佐藤容疑者が在籍する同公社は、出入り口のドアが固く閉じられ、報道陣が廊下で待機するなど先日までの落ち着いた雰囲気は一変。担当課長へ改めて取材を申し込んだが、窓口から「捜査中なので対応はできかねます」と、完全にシャットアウトされた。一方、同様に捜査が入った道路下水道局用地部は取材に応じてくれたが、捜査中なので情報提供は限定された。
言うまでもなく、身内の不祥事がもたらしたこの慌しさは市職員にとって決して他人事ではない。自らの恥として受け止め、再発防止に努めていただきたい。
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