これまでにない青果店「八百勝」が博多駅南にオープンした。街中の「道の駅」をイメージした店創りには代表・戸高勝氏(※高は「はしごだか」)の経験が活かされている。地場有力スーパーで長年バイヤーを務めた戸高氏は、「これまで、いろんな企画を経験させて頂いた。やり方によってはまだまだ青果は売れる。少子化や消費低迷は言い訳にすぎない」と語る。しかし、一方で事業が拡大するとできないことがあることも分かって来た。「大手の企画力と小規模店の柔軟さを組み合わせた店ができないか?」と自問して開業したのが「八百勝」だ。「八百屋の進化」を信条としている。
消費者にとって、ありがたいのが小分けのコーナーだ。戸高氏は、「必要なだけ買ってもらう。それだけでは利益が出ないが守っていきたい」と考えている。大量消費の時代には1袋に多くの個数を詰め、安く売ることが求められてきた。戸高氏は、時代とともに買い物難民が増加することに危機感を表す。「小さなニーズをくみ取っていける店にしたい。」一方で「箱ごと購入される人もいる」ようで、品質と価格バランスが優れていることを見抜く目利きの飲食店経営者などがすでに現れているようだ。近隣には、レッドキャベツがあるが「競合するつもりはない」むしろ隣接のコンビニ店も含め各店に相乗効果が生じることに期待を寄せている。
品揃えも敏腕バイヤーならでは。旬野菜から昔ながらの懐かしい品種、流行の果物やヤシの実まで揃えてあり楽しさ満載だ。ほかにも九州各地の調味液や加工品からは地元への愛着もにじむ。加えて幅広いネットワークを活用した卸売りや産地開発も行なっている。「これからも可能性を追求したい」(戸高氏)むかしの八百屋のぬくもりをそのままにたゆまぬ進化を目指す「八百勝」の挑戦が始まった。
■八百勝
代 表:戸高 勝
所在地:福岡市博多区博多駅南6-6-20
開 店:5月26日
営業時間:午前9時~午後7時
店休日:水曜日
TEL・FAX:092-483-5224
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