<いち早く病院経営の重要性を理解>
福岡県大川市といえば、日本でも有数の家具の産地である。だが、安価な外国産家具により、時代とともに産業は廃れ、街は軒並みシャッターが下りている。そのなかで一際目立つのが大牟田と筑後を結ぶ国道208号線にある「高木病院」だ。高木病院は大川、栃木、東京などで医療関係の9法人を束ねる高邦会グループの総本山。高木病院の理事長の医師・高木邦格氏は弱冠37歳で新たに創立された栃木県大田原市の国際医療福祉大学の理事長に就任したほか、東京で多くの著名人が利用することで知られる山王病院の再建をはじめ、数々の病院の再建に携わってきた。
高邦会グループは1910(明治43年)年に高木邦格(たかぎ くにのり)理事長の祖父が開院した高木眼科医院がルーツとなる。家具の産地として知られる福岡県大川市において、単なる小さな眼科に過ぎなかったのだが、のちに高木理事長の父・維彦(これひこ)氏が高木病院を設立し、同グループの基盤を作った。3代目となる高木理事長が基盤の拡大を行ない、現在、同グループは"IHWグループ"、"国際医療福祉大学・高邦会グループ"とも呼ばれる病院経営と大学経営を軸とした事業運営を行なう集団を構成している。5つの医療関係の法人、4つの民間企業系の関連会社を有し、9法人で年商1,000億円の事業規模を誇る。全国各地の病院が診療報酬のマイナス改定により苦しみ、なかには倒産する医療法人もあり、経営ができない医師は生きていけない時代になったとちまたで囁かれるなか、他の病院よりもいち早く病院経営を重要視し、現在の躍進に繋がっている。
2009年には福岡市早良区百道浜に福岡山王病院を開院したほか、ツインズももちの買収をはじめ、今、医療ビジネス界においては、もっとも話題性の高い組織の一つといっても過言ではない。
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