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東日本大震災

北橋市長が市民と初の対話~震災がれき広域処理でタウンミーティング開催
東日本大震災
2012年6月 7日 10:33

0607_kaizyo.jpg 6日、宮城県石巻市で発生した震災がれきの受け入れをめぐって、北九州市は、同市小倉北区の北九州国際会議場で「東日本大震災で発生した災害廃棄物の広域処理についてのタウンミーティング」を開いた。メイン会場には500席が用意されたが、熊本からチャーターバスで約40名が駆けつけるなど市内外から約1,000名の市民が参加。会場外に設けられたパブリックビューイング約300席にも立ち見が多く出た。

 タウンミーティングでは、最初に北橋健治市長が約30分に渡って講演。震災がれき受け入れの必要性や、試験焼却で採取したデータなどを用いて、その安全性を説明した。また、風評被害対策についても触れた。

 先月行なわれた試験焼却を受けて、愛媛県松山市の小学校が北九州方面への修学旅行を中止するなどすでに風評被害は発生しており、市としての対策に注目が集まっている。講演のなかで北橋市長は、「国も対応窓口を設置するなど、協力を約束してくれた。しかし、市としては国任せにせず、風評被害対策に取り組む所存。しかし、それでも被害が出てしまった場合は、地元の人が率先して地域の食材を食べるなど、食べて応援して欲しい」と呼びかけた。

0607_kit_sityou.jpg その後、市長や放射能の専門家などによる来場者との意見交換会が開かれた。回答者は、市が設置する「災害廃棄物の受入に関する検討会」の構成員4名と市長や環境局長などを加えた7名。

 意見交換に先立って、これまで反対派の市民グループを牽引してきた遠賀郡の斎藤利幸弁護士が、「進行に異議がある」として、震災がれきを広域処理して焼却する代わりに、被災地でがれきを利用して防潮堤を造るプロジェクトのビデオを放映するように求め、会場からは賛成を表す万雷の拍手が起こったが、進行役は「プログラムにないことはできない」と取り合わなかった。

0607_kensa.jpg その後、会場からは「外部被曝よりも内部被曝が心配だ」「セシウム以外の放射性物質も測定する必要がある」「バグフィルターで99.99%のセシウムが除去できるというが、どのバグフィルターメーカーもそれを保証していない」などと反対意見が飛び交った。数多く出される意見から、いくつかを進行役が選択して専門家が答える形式が取られたが、質問者が納得する場面は終始見られず、最後には「時間が短い」「延長するべきだ!」と怒号が飛び交うなか、平行線のままの幕引きとなった。会場内で受け入れを賛成する意見を出したのは1名だった。

 試験焼却が行なわれた日明(ひあがり)工場(同市小倉北区)から数キロのところに住むという70代の男性は「市が開く検討会は推進派ばかりなので、慎重派の識者も入れて欲しい。このままでは福岡のものが売れなくなってしまうのではないか」と心配していた。

【清水 秀生】


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