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福岡県天下り法人に約9億円の貯金ができるワケ
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2012年6月 8日 07:00

0608_kensetugizyutu.jpg 行財政改革により存在意義を問われている福岡県の外郭団体。そのひとつ、財団法人 福岡県建設技術情報センター(以下、建技センター)には、公益法人化に向けて5年前から外部専門家に「目的の明確化が必要」と指摘されていた2種類の積立預金が存在。5月17日に公表された2011年度の経営評価結果でも同様の指摘がされており、11年3月31年時点で計3億7,750万8,853円。これとは別に、使い道がわからない現金預金が約5億円あり、合わせて約9億円の貯金があることになる。
 本来、同法人は利益を追求するものではなく、余分に出た利益が意味もなくプールされているかたちとなっているのだが、そもそも、なぜ、建技センターがもうかるのか。

 建技センターの事業収入のうちの大部分は、(1)土木技術支援と(2)建築技術支援という2つの事業が占める。2010年度の決算ではそれぞれの受託収入は(1)6億9,822万3,750円、(2)5億6,257万2,670円で合計12億6,079万6,420円。事業収益14億3,211万4,696円の実に88%を占める。具体的な内容については、県や市町村が発注する公共工事における(1)積算業務や現場技術支援など、(2)設計・工事監理・耐震診断など。その意義については、「技術者がいない自治体の公共工事の適正かつ円滑な事業遂行のため」という。

 つまり、トップが県の天下りで職員の半数が県からの派遣職員、プロパーはゼロという『県の出先機関』と言える建技センターのお得意客は、県や市町村ということになる。しかも、技術支援というが(1)人材派遣会社へ3億3,029万5,600円、(2)再委託料として2億9,730万1,200円の計6億2,759万6,800円、2事業費の計9億7,618万5,655円の64%が民間に流れている。

 福岡市の調査報道サイト「HUNTER」が、建技センターが県から委託された県立高校の耐震診断にかかる人件費の見積もりをスクープした。技師の日当が5万1,800円、3万8,900円、3万1,600円、2万6,200円、2万2,700円という内容に、異論の声が巻き起こった。耐震診断を行なっている民間の構造設計の専門家は、NET-IBの取材に対し「高すぎる。1日2万円が相場だ。競争原理がはたらいていないからそうなる。民間に任せるべきだ」と指摘する。

 建技センターが契約内容を明らかにしないため、再委託した場合、どれくらいの差が生じているかは不明。「民間の相場(1日2万円)で出していると耳にしたこともある」とは前出の専門家。一方、同センターは「2005年3月20日の福岡県西方沖地震発生を受けて、06年より公立校の耐震診断が急増。そのため再委託する件数が増えている」と説明している。過剰利益として意味もなくプールされた税金9億円はそれが源であるかのような印象を受ける。

【山下 康太】


▼関連リンク
・福岡県天下り法人に意味もなくプールされる税金


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