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福岡市2階建てバス 1台1億円は適正!?~市は約1.5億円を補助
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2012年6月20日 12:01

0620_120_s.jpg 今年3月24日から福岡市で運行を開始した2階建てバス「オープントップバス」を運営する西日本鉄道(株)(以下、西鉄)に対し、市が交付した補助金が過大ではないかとの見方が強まった。今回、福岡市は西鉄に対し、2台の「オープントップバス」にかかった費用2億989万5,000円のうち、1億4,789万5,000円を補助金として口座振替で交付(5月31日)した。当然ながら、その原資は福岡市民が納めた税金である。

 NET-IBが市に情報開示請求をかけて入手した「オープントップバス」の補助金の申請・契約に関する書類によると、市が西鉄に交付する補助対象経費(補助金)は、『福岡市観光回遊バス導入補助金交付要領』で『車両購入費』と『通常車両本体価格』との差額、と定められていた。車両購入費については、製作した九州日野自動車(株)の見積もりによると、「オープントップバス」は、同社の大型トラック「プロティア」をベースに作り上げられたオリジナルのバスで、1台1億5,00万円(税込)となっている。

(余談だが、福岡市の「オープントップバス」はトラックをベースに製作した特殊車体であり、1階の座席部分はない。言うなれば、客席があるのは2階だけの"2階だけバス"である。)

0620_2.jpg 次に、東京でオープントップの2階建てバスを運営している民間バス業者に聞くと、「通常の2階建てバスは輸入もので1億円。昔は日本のメーカーも作っていましたが、それが1台8,000万円ぐらいでした。弊社では従来使っていた2階建てバスの屋根を切り離し、露出する座席の防水加工をしました。その費用は1,000万円です」とのこと。
 つまり、日野自動車が出した見積もり自体は、おおむねオープントップ式の2階建てバスの相場といえる金額であるということがわかった。

 ところで、今回の交付金額の決定では、もうひとつの『通常車両本体価格』が重要である。前出の民間バス業者によると、「国産の2階建てバスの相場は8,000万円ぐらい」とのこと。しかし、日野自動車が出したのは、同社の大型バス「セレガ」2台分の見積額6,200万円(1台3,100万円)であり、それが『通常車両本体価格』となった。「セレガ」は通常のバスよりも座席が高いハイデッカー・タイプで観光バス用の車種である。

 仮に、通常車両本体価格が昔の国産2階建てバス1台8,000万円であれば、市から西鉄への交付金は、「2.1億円-1.6億円」で5,000万円になる。このことについて市の担当課は、「2階建てバスよりも普及しているハイデッカーを"通常"と考えた」とコメント。この辺りは、論がわかれるところであるが、約1.5億円の血税があてがわれた事業だけに、運営主体の西鉄には市の観光振興のため、ムダにすることがないよう努めていただきたいものである。

【山下 康太】


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