東京都は21日、不当景品類及び不当表示防止法(景品表示法)の観点からインターネット上の広告・表示を監視する平成23年度インターネット広告・表示の監視結果を明らかにした。平成23年度は、放射性物質対策商品、防災等商品、健康食品等の広告・表示の調査に重点的に取り組んだ結果、582件(431事業者)の不当表示の修正・削除などを通販事業者に対し指導した。
23年度の調査では、昨年3月の福島原発事故の影響からか、放射性物質対策商品の不当表示(136件)が主だった。具体的には、「放射性物質や環境汚染からくる発ガン物質を排除してくれる」などと表示した健康食品が34件、「水道水からの放射性物質をシャットアウト」などと表示した浄水器が56件判明。このほか「放射性物質 高い除去率 セシウム95~99%、ヨウ素96~99%」とうたうものの、実証データがない浄水器の広告も見られた。
また、健康食品の不当表示は197件で、平成22年度の指導軒数(100件)の2倍となった。表示内容では、放射性物質対策34件、ダイエット32件、エイジングケア・美容28件が上位を占めた。
東京都では、監視結果を踏まえ消費者庁に対し、(1)インターネット上の広告・表示について、景品表示法等に基づく監視・指導を強化すること、(2)インターネット通販関連業界において自主的な取り組みが十分になされるよう働きかけるなど、広告・表示の適正化に向けた施策を推進すること―の2点を要望した。
一方、事業者団体やショップ事業者等のインターネット関係事業者に対しても、広告・表示する場合は、根拠となる客観的事実を確認した上で行なうよう要望したほか、景品表示法及び関係法令の順守について理解と協力を求める文書を送付した。
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