福岡県久山町の大規模商業施設・トリアス久山が来年早々にも太陽光発電事業に取り組み、近い将来、スマートシティ化を目指していることがわかった。計画によると、トリアス商業施設、トリアスモールの施設内の屋根と駐車場スペースの約3万m2を利用し、太陽光発電の設備工事を行なうこというもの。今年7月1日に施行される再生エネルギー買取法に合わせて発電所を設立し、2.8メガという発電設備を備え、非常時に地域の防災に機能する準備を整える方針だ。スマートシティは電力会社の電力供給に頼らない街づくりを目指し、現在、経済産業省の主導で全国各地で実験が行なわれている。九州では福岡県北九州市の東田地区が実験地域となっている。
関係者によると、このプロジェクトは10年先、20年先の展望を見据え、広大な敷地と建物の屋根を有効利用した発電によって、自前の商業施設のほか、近隣の施設においても電力を供給することが可能となるという。通常の営業時にも各メーカーの協力を得て最新の省エネ機器を導入することで、節電のほか、最先端のスマートシティの実証実験の場となることを目指す。
昨年3月11日の東日本大震災後、小売最大手のイオングループなど大手小売企業が25%の電力削減目標を掲げるといった節電に対する取り組みを発表しているが、地場の大規模商業施設で節電と自家発電により、近未来型の商業施設のモデルになるか注目される。
トリアス久山は1999年4月に開業し、今年で13年目。敷地内の日本第1号店のコストコ久山倉庫は連日、地場マスコミ各社のワイドショーなどで取り上げられていることもあり、非常に好調。九州最大級だった映画館「TOHOシネマズトリアス久山」は8月31日付けで閉館するものの、関係者によれば後継の映画館も交渉中という。今後、トリアス久山がスマートシティ化を目指すことで、業界内外で新たな注目を集めることになりそうだ。
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