2012年度の教科書の採択替えにともない、6月から7月にかけて福岡県庁や県内の各教育事務所、公立の小学校や図書館などで教科書展示会が実施されている。県教育委員会の担当係が出した案内には、「学校関係者だけでなく一般の方々の入場もできますので、教科書制度に関心のある方々のご参加をお待ちしています」とある。だが、福岡県庁4階の"会場"は、一般参加を「お待ちしています」と言える状況ではなかった。
福岡県庁4階義務教育課で行なわれている教科書展示会は、6月15日から、土日祝日年末年始を除く午前8時30分から午後5時15分まで、"入場"できる。しかし、場所を示すのは、同会場の入口横に貼り出された、古びた紙切れのみ(画像)。普段から足しげく県庁に通っていなければ、自力で同会場を探し出すことは困難と思える。さらに、会場には鍵がかかっており、入場する際は担当の職員に声をかけて、氏名・住所などを紙に記入しなければならない。
「展示会場」といっても、そこは「倉庫」というほうがふさわしく、通路は大人ひとりが通れるくらいの狭さ。普段、「会場」に鍵をかけている点に関しても、1度開けると担当職員はいなくなり、記者がひとり「会場」に残されるという状況で、とてもじゃないが、セキュリティは万全とは言えるものではなかった。
教科書の採択替えという極めて重要な問題に関して、福岡県の取り組む姿勢に不安を覚える内容であった。
【山下 康太】
▼関連リンク
・「平成24年度 教科書展示会について」(PDF、福岡県HPより)
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