<人間社会の力、選択>
「変えられる可能性があるのであれば」と、飯田氏は、可能性を選び、知事選に立った。
山口県には、幕末期に明治維新を成し遂げたという「維新のDNA」があり、それを県民は共有している。幕末の長州藩が明治維新を成し遂げたように、日本にエネルギー革命の流れを本格的に起こそうとしている。
「私が、ありえないような選択肢を選べば、県民が呼応してくださるのではないか。そう信じて、立候補を決意しました」(飯田氏)
脱原発を図り、エネルギーを自然由来の再生可能なものにシフトしていく。風力、太陽光などエネルギーの種類やそのポテンシャルというよりも、変わらなくてはならないのは"人間の力"だとし、理想を現実にしていくために必須の人間社会の力が、変わっていくまでの枠組みを作る仕事をしたいと思いを語る。
<橋下大阪市長との共通点>
これまでの飯田氏の仕事として代表的なものに、12年1月から約半年間取り組んだ、大阪府、大阪市の特別顧問の職がある。このとき関西圏の原子力発電所の再稼働の議論に関わった。「野田首相は、乱暴とも言えるロジックで再稼働を決めた。国全体が、3・11の原発事故がなかったかのような意識に戻り始めています。この逆回転を止めたい。電力需給の観点からは、原発の再稼働は必要ないと証明されました」。
飯田氏の人間性にスポットをあててみると、ある支援者は、「手法として、多くの人と対話する人。やさしい性格から誤解されることもあるけど、揺るがない思いを持っている」と話す。橋下徹大阪市長の、歯に衣着せぬ直線的な口調とは違い、話しぶり、挙措には落ち着きがあり、表情も穏やか。外から見るキャラクターは違うが、日本を変えていこうというハートには、共通点がある。
「橋下氏と自分が、似ているなと思った点は、『現実にしていくところにこだわっている』点。条件を整えていく部分をしっかりやっていきたいですね。橋下氏の維新の会は、国政を目指しているので、地方の政治に対しての支援は受けないが、方向性は同じだと思っています。知事になった際には、連携していきたい」と、今後もよきパートナーであり続けることを明言した。
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