問い合わせのように、福岡市から毎年10億円の補助があるわけではなく、毎年1億円の純利益があるわけではなかったが、市から間違いなく補助金などは出ていた。
福岡市農林水産局市場課によると「と畜事業補助金2億円」「安定集荷事業補助金500万円」――安定集荷事業補助金は毎期減額されているものの、合計2億500万円が福岡市から補助金として出ていた。その他、「施設・維持管理費7,000万円」が出ていた。しかし同社の施設は福岡市の所有であり、その維持管理を委託していることから、補助金とはまた別のものだ。
九州で唯一農林水産大臣からの認可を受け、九州地区における食肉流通の頂点に位置して市場の安定供給が求められるがゆえに、安定した経営基盤が必要とされる同社。配当率も30%で冬のボーナスは約6カ月分を支給したとのこと。一般の民間企業がうらやむ財務内容だが、自分たちでもブランド戦略を行ない、営業努力を行なったことも高収益の一因だ。ただ、補助金があるからこそ気持ちに余裕もでき、積極的に営業を考えられるという面もある。「補助金があるからこそ」という意識が、職員自体にあるのも確かだ。しかし、いつまでも補助金をあてにしていくような経営ではいけない。向上意欲があるのだから、このまま高収益を継続し、自立した経営運営を目指して頂きたいものである。
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