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「おうかがい」で決められた? 福岡市・中国公務員研修受入(中)
行政
2012年8月 3日 07:00

 昨年(2011年)11月21、22日の福岡市総務企画局国際部職員の東京出張から24日後の12月16日、再び同部係長などによる東京出張が行なわれた。この出張における訪問先は中国国家外国専家局日本駐在事務所。同所は、福岡市が中国公務員研修受入に関する覚書を締結した中国国家外国専家局の日本事務所である。

 NET-IBの請求により、情報公開された覚書締結に至るまでの経緯に関する資料からは、2回目の東京出張までの間、何ら公的文書が存在していなかった。つまり、同資料からは、(財)日本国際協力センター(JICE)に対して海外研修受入について福岡市の活用を求めた際、JICEから「中国」を勧められたことから、福岡市が中国を海外研修受入の対象としたという結論に至る。JICEは「東京には、中国国家外国専家局の日本総代表の方がいる」と伝えており、それが2回目の東京出張につながっている。

0803_memo_s.jpg 12月16日の「中国国家外国専家局 日本駐在事務所 訪問協議メモ」では、主な内容として(1)中国公務員の海外研修制度、(2)(中国公務員の研修受入団体の)認定取得の2つがあげられている。この時点で、中国公務員研修受入が福岡市の既定路線になっており、その実現へ向けて市職員が動いていたことになる。なお、この訪問について「※(財)日本国際協力センター(JICE)からの紹介」と同メモに記されている。

 北京における覚書締結(12年7月6日)の3日前まで、この取り組みが公表されていなかったことは既報の通り。すなわち、中国公務員受入に関しては、外務省と、その関係団体に"おうかがい"を立て、計画が進められたということになる。中国公務員受入という国交にも関わる案件が、しかも外務省関係団体の下請け(JICE)とのたった1回のやり取りから始まった。福岡市議会はおろか国会にさえ話がいっていなかったのである。

 中国公務員研修受入が公になった後、全国から関心を集めたように、問題が発生すれば、福岡市だけの問題にとどまらない。福岡市は「地方自治体が中国国家外国専家局と覚書を締結するのは日本初」とうたっているが、そもそも地方自治体レベルでかかる重要案件を独自で進めようという首長が日本にいなかっただけではないだろうか。

 市長就任以来、子ども病院移転問題やアイランドシティのまちづくり、市の行財政改革に至るまで、第3者委員会を設置し、有識者のみならず市民代表からも広く意見を集め、検討を行なうといった高島宗一郎市長のやり方を考えると、今回の経緯はまるで別人がやったことのようにも思える。そして、なぜ、直前まで公表されなかったのか。次回は、真相を探るため、同件に関する福岡市の"次の行動"を見ていく。

(つづく)
【市政取材班】

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