<第4回>
<儲けられるのは、詐欺師と外資と天下り法人だけ>
――借りた人の責任だけではない。
小泉 でも、儲かった人はいるんだよ。それは株と土地が暴落するのが最初からわかっていれば、空売りする人は儲かるし、買収しようという人は安く買い叩ける、一番いいのは会社をつぶしてタダで乗っ取る、そういう話だ。政策でわざと不景気にして外資に乗っ取らせているようなものだ。安い値段で、たとえば、1カ所200億、300億円のゴルフ場100カ所まとめて100億円で、1カ所1億円で買収されちゃう。儲かるに決まっている。そういう連中のための政治をやっている。だからまじめに働く正直者は馬鹿を見て、儲かるはずがない。最後、そういう人たちをどん底に落としておいて、もう1回生き血を吸おうというのがサービサーとRCCなわけだ。外資の連中にとっては非常にいい。そろそろこういう誰が利益を得ているのか、利益を得ている人はいる。その人たちのための政治をしている。そこを変えないといつまでたっても、そのために政権交代したら、ミイラ取りがミイラになってしまって、もっとひどくなった。
――本来、それを変えようと訴えて政権交代した。
小泉 政権交代したら、菅内閣から狂っちゃって、またプライマリーバランス入れて、プライマリーバランス達成したときアルゼンチンだってつぶれている、縮小再生産だから経済はどんどん小さくなる。世界の常識なんだ。15年続くデフレのなかでまた緊縮財政とったら駄目になるのは決まっているのに、まだ悪くしようとしている。ますます被害者が増える。お金を返せるわけがないから。こんな世のなかで、20年続けて株価が4分の1、地価が10分の1になっているなかで、利益を上げられる商売はない。できるのは、公務員と詐欺師と天下りの特殊法人だけ。犯罪者か税金で食っている奴だけですよ。
<政府がモラルハザードをつくっている>
――まじめに働いても商売は成り立たない。モラルハザードが社会全体に蔓延している。
小泉 モラルハザードは政府がつくっているんだから、どう見たってまともに景気をよくしようという政策を1つもやっていない。どんどんデフレを推進する政策をやっている。小泉内閣もそうだけど、野田内閣もそうだ。野田内閣が成長戦略をやるというので閣議決定を読んでいたら、「分厚い中間層をつくる」という。やっているのは真逆のことをやっている。働く4割の人たちが契約社員になって、明日をも知れぬ200万円の年収で、まず最初に首が切られる潜在的な失業者である。そのなかで消費増税とかTPPとか産業空洞化させて海外にますます移転させる政策をやっている。円高放置だし、ますます株と土地が下がる政策をやっている。このなかで、日本人の生き血を吸われるような、ベニスの商人のようなRCCとかサービサーとか生き血を吸ってくる吸血鬼のような連中を飼っているのが国だというのが笑っちゃう。野田総理自らがどっちかというと外資の金儲けを手伝いするような政策を政治生命をかけてやるようでは、どうにもならない。国民の命を守って国民を豊かにするのが政治家の役目だ。それなのに、国民からお金をとることに政治生命をかけるという政治家は、歴史上初めてだ。古今東西数千年の歴史で初めてです。国民を貧乏にしてお金を取ることに政治生命をかけるなんてのは、もう政治じゃない。誰のためなのか。得するのは、役人と外資しかないんだから。
――100年に1度の大失策だ。それを確信持ってやっているところに国民の不幸がある。
小泉 とくに、昔と違うから、百歩譲って、終身雇用、ほぼ完全雇用の状態のなかで消費税をあげるというのはわかる。今4割の人が潜在的失業者で、どんどん路頭に迷いながら首切られて、再就職できない。それも20代、30代が貧困層になっているのに、そこへ増税をぶっかける。金持ち優遇税制をずっとやってきて、貧乏人から金をとろうという話だ。それもデフレを放置したまま。根本的に狂っている。政権交代が輪をかけて悪くしている。どんなに個別の政策をやろうとしても、どうしようもない。もう1度、政治を変えない限り直らない。
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