お盆シーズンが始まった11日夕、福岡県春日市で麻生太郎元首相が街頭演説を行なった。次期衆院選における福岡5区の自民党公認候補予定者・原田義昭前衆議院議員の応援として、同選挙区を街宣するなかで行なわれたもの。小雨降るなか、演説には地元の有権者が集まり、耳を傾けていた。
「政権交代という壮大な社会実験は失敗に終った」という一言から熱を帯び始めた麻生元首相は、デフレ不況における政府の財政出動の必要性を、政権を担っていた時代の経験を交えながら話した。「そういったもの(公共投資)をやることによって、民間に設備投資が起き、民間に雇用が生まれ、それによって所得が出て、その所得が消費に回り、初めて経済が循環する」。
さらに、「国の借金が1,000兆円」とする論調に対して、「お金を借りているのは政府。みなさんは郵便局・銀行の預貯金を通じてお金を貸している」「日本の国債はすべて円建てであり、ユーロでやっているギリシャとは違う」といった内容の演説を行なった。
今回の消費増税関連法案について、経済成長を前提条件に盛り込んだと強調する自民党。同法案が参議院で成立した翌日ということもあって、聴衆は真剣に耳を傾けていた。日本の財政状況・国債の捉え方については政治家によって大きく異なり、増税をめぐる議論は、次期総選挙においても大きな争点となるだろう。
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