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「従軍慰安婦問題、領土問題の解決方法」~橋下大阪市長のツイート
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2012年8月24日 13:42

 NET-IBでは、ツイッターを活用している橋下市長のツイートをまとめて紹介する。
 橋下大阪市長の24日午前1時26分から午前2時57分までのツイートは以下の通り。


 いわゆるデモ自体は否定はしませんが、世を変えようと言うなら、民主主義の実践としてのデモをやらなきゃ。それは選挙。一か所に集まって自分の主張を叫ぶだけじゃダメ。他の人にも同調してもらうように訴えかける。そして厳格公正なルールに基づいて他者の票を集める。これが実践としてのデモですよ。選挙こそが実践としてのデモ。

 首相官邸前でデモをやっている人たち、意思表示は十分わかったので、今度は選挙で自分の考えを実行して欲しい。大変だよ選挙は。僕も自分の考えを実行するために選挙を通じて一つ一つ進めているけど、選挙で議席を獲得するってホント大変。
 デモをやっている人たち、一度でも良いから選挙をやってみて欲しい。いかに多くの有権者の賛同を得ることが難しいか。自分の考えを実行するにはどれだけ多くの有権者の賛同を得なければならないのか。まあこの辺は、無責任に政治に対してあーやれ、こーやれという識者と同じだけどね。
 僕がやっていることもデモそのもの。しかしそれは選挙という民主主義の実践のデモだ。

 それと韓国のメディアから従軍慰安婦の問題で罵倒されちゃったね。日本のメディアに反論するだけでも大変なのに、まあ仕方ない。一介の自治体の長である大阪市長と言う立場では国の外交問題にタッチすべきではないんだろうけど、国政課題も考えている大阪維新の会の代表として発言した。

 今回の問題提起でよく分かったのは、やっぱり93年の河野談話について日本政府はロジックの再整理をしなければならないということ。従軍慰安婦について国の強制連行を認めたような93年河野談話に対して実は2007年、安倍内閣は重要な閣議決定を行った。軍や官憲が慰安婦を強制連行したという証拠はないと安倍内閣は2007年に閣議決定した。これが日本政府の見解である。僕は日本人だから、日本政府のこの見解に拠って立つ。また僕は歴史家でもないから、日本政府の閣議決定をわざわざ覆すような資料収集の作業はしない。
 だから韓国側に、日本国が強制連行したという証拠があるなら示して欲しいと言ったのです。韓国側の主張を一切認めないと言うことではなくて、証拠を出してよ、ということ。そしたら韓国メディアは、証拠は河野談話だと来た。完全なトートロジー。

 ここを日本国民はしっかりと認識して韓国と正面から議論しなければならない。こういう一番肝要なところを、93年河野談話は逃げた。それで日韓の信頼はがた崩れ。これこそ政治の責任だ。口から泡飛ばして激論したらいい。何が問題で、相手の立場のどこに配慮をしてあげるべきなのかを真剣に考える。

 日本政府は93年の河野談話に関し、2007年に強制連行を裏付ける証拠はなかったと閣議決定した。にもかかわらず韓国は強制連行の証拠は93年河野談話だと言う。河野談話を今のまま放置するわけにはいかない。日本軍が慰安所の運営に関与していたのは事実だ。これは戦争下でしかも施設が施設だから。現代社会にあっても風俗店についてはきちんと公が監督している。慰安所について公が監督するのは衛生管理・秩序維持の観点から当然だ。

 問題は慰安婦が、その意思に反して強制されたかどうか。ここが一番のポイント。しかし日本側にはそれを裏付ける証拠がない。済州島のメディアが現地調査しても日本国が慰安婦を強制連行した事実を裏付けることはできなかった。だから僕は韓国側に証拠を求めたのだ。証拠が出てきたら、それは謝らなければならない。強制連行はどういう理屈でも正当化はできない。しかし慰安婦を日本国が強制連行した証拠は未だ存しない。

 この話と慰安婦に対する同情は別問題。色んな事情で不本意ながら慰安婦になり、心身ともに苦痛を被ったということに関してはその苦痛を察してあげなければならない。これは日本人で同じような境遇の人の話を聞いても同じ。ただ不本意と強制はまったく異なる。
 93年河野談話は「本人の意思に反して」とうい言葉で誤魔化した。政治の最大の責任だ。これは不本意と言う意味なのか、日本国が強制したという意味なのか。ここをはっきりさせる必要がある。後者であれば謝罪は当然。しかし今のところその証拠がない。だから韓国側に出して欲しい。

 強制がないのであれば、当時の社会状況からして慰安所をどう捉えるか。軍人の秩序を保つためいわゆる慰安所が存在したのは日本だけではないし、風俗業は今でも世界各国に存在する。慰安婦と同形態の風俗業も存することは確かだ。問題は慰安婦が国家によって強制連行されたかどうか。この点真正面から韓国と議論すべきだろう。
 慰安婦が強制連行された証拠が93年の河野談話だと韓国メディアが言っている状況を日本政府は放置しておくのか。2007年の強制連行を裏付ける証拠はなかったとした閣議決定との整合性はどうなんだ。日本の国会議員、外務省、しっかりしろ!

 ただね、僕は隣国同士、こういうことでいがみ合うのはよろしくないと思う。従軍慰安婦の問題が根っこにあるなら、真正面からしっかり議論して、謝るべき事実があればしっかりと謝ればいい。事実が出なければ謝るべきではない。ここで外務省がしょうもない答えを政治家にさせる。1965年日韓基本条約。
 こういう問題のときにね、1965年の日韓基本条約で解決済みなんていう官僚答弁をして相手とのコミュニケーションをとれるわけがない。知事時代も、部局からこういう形式答弁が出てきて、何度も突き返したよ。これは裁判所が形式論理で下す判決の手法。対人コミュニケーションではご法度だ。

 ところが役所はこの形式論を展開する。1965年の日韓基本条約で解決済み!と言ったら、強制連行の事実があったのかなかったのか全く分からないじゃないか。まさに官僚答弁。基本条約がどうであれ、真正面から慰安婦の強制連行の事実の存否を議論したらいいんだ。納得するまで。本当に強制連行の事実があったなら、次は1965年の基本条約で解決済みになったかどうかの議論になる。和解の対象にきちんと入っていなかったら、確かに和解錯誤無効と言う法論理もある。だから1965年の日韓基本条約で解決済みなんて言っても何の解決にもならない。官僚のロジックを正すのが政治。

 1965年の日韓基本条約があろうとも、慰安婦の強制連行があったのかどうかをしっかりと確定すべき。2007年に強制連行の証拠はないという閣議決定をやったなら河野談話は見直しするしかないでしょう。韓国側に河野談話以外の強制連行の証拠を求める。もしその証拠が出てきたら、次に1965年の日韓基本条約の射程範囲を考える。役人は簡単な理屈から入る。だから1965年条約から入る。政治家は事の本質から入るべき。竹島問題でここまで日韓紛争が国民の知るところとなった。根っこの慰安婦問題を決着させる最大のチャンス。これこそ政治だ。

 領土問題は、実体論の主張をぶつけ合っても何も解決しない。裁判で原告被告がそれぞれ自分の主張を言い合っているようなもの。結局1905年の竹島の島根県編入前、1904年第一次日韓協約において韓国の外交権が日本に制限されたかどうかの評価。韓国は主権制限下の一方的編入だと主張する。

 領土問題の解決は2つ。(1)相互譲歩による合意。(2)強制解決の装置を作る。
 (1)は領土そのもので譲歩しなくてもいい。相手が望むもの、しかしこちらにとってはあまり不利益でないものを相手に提供して領土は得る。相手に何も提供せずにこちらが100%得るものを得るなんてあり得ない。交渉で解決するならお互いに何かを譲歩をしなければならない。領土で譲歩するか、領土以外で譲歩するか。

 それともう一つは強制解決の装置。国際司法裁判所は強制装置にならない。相手が同意しないと提訴できないからだ。だからこの仕組みを作り直す外交戦略。難しいけど。相手が同意しなくても何らかの要件を満たせば裁判所が動く仕組み作りに奔走する。これが譲歩しない場合に領土問題を解決する外交戦略だ。
 それと言うべきことやるべきことをやったら早く事態を収束させる。これも喧嘩の鉄則。この事態収束のきっかけを作ることこそ政治家の天才的能力が試される。

(24日午前1時26分~午前2時57分)

Twitter:橋下徹 (t_ishin) より引用(原文ママ)


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