9月27日、IPホテルで、IBCが開催され、(株)シェルフアソシエイツの代表で、九州大学知的財産本部の客員教授も務める坂口敬司氏が約1時間に渡って講演した。
講演テーマは『(1)「事例紹介~地方都市における中心市街地活性化の取組み事例」(2)「最近の産学連携の傾向について~九州大学のケースをもとに」』。
坂口社長は、講演において、前職の電通九州時代に取り組まれた宮崎県延岡市のまちづくりを紹介。同市は"旭化成の城下町"と呼ばれ繁栄していたが、多くの地方都市のように中心市街地がシャッター通りとなり、空洞化していた。これを変えるべく行政、地元企業、地元大学との産官学連携による「協働のまちづくり事業」に取り組んだ実績を語った。事業のなかで、ワークショップを開催し、アンケート調査などを行ないながら、地域住民の意識を盛り上げるうちに「定住志向と愛着感は非常に相関が大きい」ことが判明したという。しかし、中心地に30代から50代の女性が集える場所がないということで、商業施設「ココレッタ」が建設され、当初はかなりの集客もあったが、1年でテナントが撤退するなどして2011年に売却されたという例もあったという。
このような延岡市での経験から、まちの活性化は、「複数の実行力のある人が必要で、地元で商売を行なう人や行政職員のなかに問題意識が高い人が不可欠」と指摘。「まちづくりは"人にある"」と語った。
まちづくり事業が軌道に乗るかどうかは「どれだけ地域のことを愛しているか」にあるという坂口社長のお話に、参加した人々は熱心に耳を傾け、質疑応答も活発に行なわれた。
データ・マックス主催のIBC(情報ビジネスクラブ)は、話題の人物による講演と、経営者をはじめとするビジネスパーソンとの交流を目的とした交流会で、毎月第4木曜日に開催されている。
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