<胆力と国家意識が必要>
東京都の石原都知事が、尖閣諸島の東京都での購入を表明し、実際に尖閣諸島周辺の調査をやって、変化を起こした。結局は国が購入することになったが、もっと早い段階から粛々と事を進めていれば、現在のように溝は深まらなかったのではないか。早めの段階で、いつ起きるかわからず、国益が脅かされる"危機"を、経験によってある程度マネジメントのできる"リスク"に落とし込んでおかなかったから、現在のような危機的状況に陥った。
「国は何もやらないために尖閣諸島を買ったのではないか。領海侵犯の数も増えて、エスカレートしている。上陸せず、開発せずの無人島政策を取るだろう。そこには、何のリーダーシップも感じられない。領土問題に見られるように日本と中国は、国益が対立する部分が多い。私益よりも『国益』を守るという意識のしっかりしたリーダーでないと今後やっていけない。今の首相でも、次の選挙に通ることしか考えていないのでは」と、尖閣諸島に対する政府の対応には辛口だ。
藤井氏は、選挙に勝つことしか考えていない政治家、選挙に勝つことを目的に動く政治家を、「選挙業者」だと、表現する。
「これからのリーダーには、胆力と国家意識がないといけない」。われわれ大衆も、私益よりも、国益をきちんと考えてくれる政治家を熟慮して選ばなくてはならない。いざという時に、日本のために、身を呈してでも働いてくれる政治的リーダーに、1票を投じなくてはならないのではないか。
<日本維新の会に注文>
第3の勢力として、橋下徹大阪市長を中心とした日本維新の会が発足した。次期総選挙でも注目される存在だ。国内の改革を高々と八策に掲げてはいるが、領土問題、外交、安全保障などに関しては未知の部分が大きい。
藤井氏は、「橋下さんには、外交と国防を特にきっちりと勉強してもらいたい。でないと、政党にならない。整合性のある外交、安全保障、マクロ経済のビジョンをきっちりやってほしい」と、今、注目の集まる第3極・日本維新の会に注文を付けた。
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