<さまざまなタイプのリーダー>
変革期に、ビジョンを示す人を「ビジョナリー」という。江戸時代の幕末期で言うと、高杉晋作、木戸孝允らに思想的影響を与えた長州藩の吉田松陰、福井藩の橋本佐内らがそれにあたる。
「ビジョンを示す人と、西郷隆盛らのように弾丸をくぐって革命闘争をして幕府を倒す人。その後、大久保利通や伊藤博文のように形成する人で、役割が違う」と藤井氏。
戦国時代の代表的なリーダーである織田信長、豊臣秀吉、徳川家康で、それぞれ違った役割を果たした。
先見力を持ち、それまでの概念を壊した信長。信長の事業を引き継ぎ、新しい価値観、組織、経済感覚を形成した秀吉。それらを長く安定維持させた家康。それぞれ役割が、わかれていた。藤井氏は、「今の時代には、これまでにない知恵を出して、大胆な政策を推し進めていくリーダーが合う」と分析する。
<戦える政治家が必要>
藤井氏は、現状を打開できるリーダーとして、石原慎太郎東京都知事の名前を挙げた。「国民と直接、コミュニケーションを取れる人という意味で、石原慎太郎東京都知事は優れている。直接、国民に訴えて、国民の支持を得て、動かしていくことが大切」と語る。
数学者で、憂国の士だった岡潔氏と石原慎太郎氏が対談した時に、岡氏から『現代の信長だからやれ!』と言われて、まだ若かった石原氏は、逆に恐縮したという話がある。
環境庁長官、運輸大臣、東京都知事として結果を出してきた。「あの対談から40年経った。今の時代、国家意識があり、ビジョンを示すことができて、先見力、決断力、説得力などさまざまなリーダーの条件を考えて、自分の意見では石原慎太郎さんに日本のリーダーとして立ってほしいと期待している。彼には、信長的な才覚があると思う」と、評価する。
今、日本に必要なのは、独創的で、既得権益と古い価値観を壊すことができ、自ら作ることもできる信長的なリーダーだろうか。問題提起力と実行力。問題解決力、そして、突破力。藤井氏は「利権の微調整をやっているようなトップリーダーは、今の日本には必要ない。戦える政治家を日本は、必要としている」と、語った。
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