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人口減少時代に生き残る経営術~3社初の合同セミナー
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2012年10月19日 13:39

 17日午後、福岡市中央区のメディアファイブ(株)において「人口減少時代の人事戦略とIT戦略」セミナーが開催された。今回のセミナーは今年8月20日、同社と業務提携を結んだ西岡経営管理事務所(本所:福岡市中央区)と福岡人事マネジメント(本所:福岡市南区)の2カ所との合同で、初めての開催となるもの。当日は人事、人材活用、IT戦略の専門家の話を聞くために、県内の中小企業経営者のほか人事労務担当者ら数十名が参加した。

<欧米型のビジネス戦略へシフトしていく時代>
inoue.jpg 「人口減少時代の人事戦略」と題した福岡人事マネジメント代表の井上秀文氏は冒頭で経営者の危機管理について触れ、「危機をわかって行動するのは良いが、わかっていても行動しなければ将来、大きな負債を負うことになる」と語り、経営者の判断力と決断力、そして行動力の重要性を語った。

 日本経済においては人口減少対策が最も重要な課題とし、人口減少時代の人事制度の在り方として、定年前の期間も含めた賃金・人事制度の確立と60歳代前半の労働者への配慮が必要となるとした。人口減少時代の到来で社会が変わり、成長・拡大から飽和・濃縮型へシフトしているが、そのなかで生き残っていくためには、現在の日本企業の人材重視で変革を行なわない戦略ではなく、欧米企業のようにすべてを言語化し、職務能力を明確にする事が大切とした。

 さらに人と仕事のマッチング、リーダー職と担当者のマッチングの精度を上げていく欧米型の戦略へ、人事戦略をシフトしていくべきとし、今後の人事戦略は"質が重視される"との持論を語った。

<少数精鋭で効率よく事業運営を行うために>
 続いて福岡を拠点に"行動評価マネジメントプログラム"にて中小企業の業績アップのサポートを行なう西岡経営管理事務所代表で中小企業診断士の西岡隆氏が講演した。

nisioka.jpg 西岡氏は「人口減少時代の業績向上策」について独自の理論を展開し、業績を向上させるためには「目標や役割についての認識」や「仕事の進め方」を明確にし、共有化することが効果的と語った。

 さらに同事務所が現在、中小企業に導入を勧めている「行動評価マネジメントプログラム」に基づき、社員一人ひとりの行動を細かく洗い出し、"できる社員"と"できない社員"の行動を分析することで、できる社員の良い部分を共有化し、業績向上に繋げることが可能になるとした。

 具体的には飲食店の注文を受ける際に良く注文を取ることができるスタッフ、工場の製造現場でミスの少ない作業員、営業職で良く注文を取ることができる社員を例に上げ、「できる社員の業務、プロセス、手順を全員で統一させること」により、業績アップに繋げる。西岡氏は人口減少時代において、少数精鋭で業績を向上させるために、行動評価マネジメントプログラムの必要性を語った。

<日本のIT人口は少なすぎる>
1019_ueno.jpg 最後に、2006年10月にQ-board(福岡証券取引所)への上場を果たし、ITソリューション事業などを手掛ける地場IT企業のメディアファイブ(株)の代表取締役社長の上野英理也氏が「人口減少時代のIT戦略」について講演した。上野氏はまず情報管理について語り、「情報漏えいは外から出るのではなく、内から出ることにも注意しておかなければならない」とし、USBカードの社外持ち出し禁止をはじめ、電子メール、パソコンなどのセキュリティ対策の重要性を語った。

 ITに投資すると企業が成長すると世間での認識については、「2人~10名の企業で取引先も少ない企業にITを導入するメリットはない。ITは規模の大きい企業にとってはメリットがある」とし、IT投資についてはスケールメリットにより効果があるとした。

 また、上野氏は講演のなかで、世の中でITを使える人材の教育ができていない現状を危惧。「パソコンのプロというのはプログラムが組める人のことを指しますが、日本ではプログラマーの人口が約18万人と凄く少ないのが現状です。建設関連の職人さんたちが数千万人いると言われる中でこれは少なすぎる。我々は若者を中心にプログラマーを養成し、社会のお役に立ちたい」と熱弁した。

 同社は企業のIT戦略を推進するなかで、ITプログラマーの養成も合わせて行なっている。人口減少時代においては、企業が生き残っていくためには、情報共有、企業の透明化、人材育成、人材のコア業務への投入、サービスの差別化をキーワードに掲げ、「人事制度と行動評価のIT化により人事業務を平準化することによって、継続した行動管理による強い人材の育成と公平な評価による従業員の納得性を得ることができ、ITを会社のベクトルを合わせる最大のツールに育て上げることが、強い組織になる」と締めくくった。

【矢野 寛之】


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