＜巻き返しに躍起＞
　選挙戦、序盤が過ぎようとしている。情勢調査などで優勢が伝えられているのは自民党。巻き返しを図って、７日午後、民主党代表の野田佳彦首相が陣頭に立った。公示後、初めてとなる都内での街頭演説を豊島区などで行ない、ＪＲ池袋駅東口では、東京10区に出馬した民主党・前職の江端貴子氏（52）の応援演説を行なった。

　終始、自民党を意識した論調で、小泉純一郎元首相、安倍晋三自民党総裁らが自民党政権時にやらなかったこと、できなかったことを挙げた上で、この３年半、子ども手当、高校授業料の無償化など民主党が実現したことをアピールした。「人生前半の社会保障に力を入れた。子育て支援、教育支援、若者の就労。高校の授業料無償化で、高校中退が減っている。将来の世代への責任を果たすために、政治生命をかけて社会保障と税の一体改革を成し遂げることに決めた。本当は、小泉さん、安倍さんがやればよかったのですが、これ以上は先送りできない」と、政権を維持し、改革を実行していくための支持を呼びかけた。

＜金融政策では自民と対決姿勢＞
　経済対策については、賃金を上げ、雇用を増やすことを力説。「成長は何のためか。賃金を増やし、雇用を作る。そのための経済対策をやる。自民党の言うような、輪転機を回して札を印刷するだけの対策ではない。物価が上がれば、庶民が困る」と、自民党の安倍総裁の掲げる金融政策をけん制。言葉に力を込めた。

　経済政策では、エネルギー、医療、介護、健康を重要な分野と位置づけ、重点的に成長を促進していく。「エネルギーは雇用を作れる分野。潜在的な需要を掘り起こすという観点で、切れ目のない経済政策を打っていきたい」と語り、集まった聴衆に民主政権の継続を訴えた。

　また、野田首相は当初、全国約100カ所を遊説する予定だったが、北朝鮮の長距離弾道ミサイル発射予告を受け、危機管理に万全を期すため、首相官邸に待機。遊説を控えめに行なうことになる。

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