7日、日本維新の会(以下、維新)の国会議員団代表・平沼赳夫元経産相が、福岡市で街頭演説を行ない、2005年の郵政選挙における自身の経験を元に、当時の小泉・竹中改革を批判。維新について、「代表は石原慎太郎」と強調した。維新の竹中氏寄りの姿勢に警戒しての発言である。
竹中平蔵慶応大教授は、維新の政策討論に参加、同党公認候補の選定委員長を務めるなどブレーンとして関わっていたが、太陽の党(旧たちあがれ日本)が維新に合流した後、距離をおいている。平沼氏は、小泉政権時、竹中氏が国務相として行なった郵政民営化に反対し自民党を離党した。
大同小異で合流した維新だが、「小異」によって生まれた溝は、選挙活動にうかがえる。今回、同党の新人候補は、主に「維新政治塾」の塾生から選抜されたメンバーと太陽の党が推した候補者(以下、塾生系と太陽系)の2つ。福岡県では、維新の大阪地方議員が太陽系の候補者を支援せず、太陽系の幹部が塾生系の候補者を支援しないといった状況にあるという。平沼氏の応援演説も、福岡2区で立候補した太陽系の候補者のために行なわれた。
今回、選挙に立候補しなかった塾生は「一緒に勉強した塾生仲間は政策も一致しており、素直に応援したいが、太陽系の候補者はよくわからない」と、複雑な心境を語る。公認の内定や公認証書をもらった塾生系が、合流にともない太陽系に差し替わった事実もある。「維新に潜む溝」が選挙中から選挙後にかけて深まる可能性は高い。
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