<石原氏の地盤揺るがすか?>
これまで自民党の石原伸晃氏を支持してきた有権者が多い杉並区(東京8区)。今回の選挙戦を区民はどう見ているのか。
50代の男性は、「石原氏の8区で出てくるのは勇気がある。自民支持だが、演説を聞いて並の候補者ではないと思った」と、評価。山本氏の演説に熱心に聞き入っていた40代の男性は、「ずっと杉並に住んでいるけど、自民党は負けたことがない。でも、そろそろ自民党以外から当選が出てもいいのではとも思っている。石原さんは嫌いではないけど、今の自民党には自分のことしか考えない政治家が多いと思う。今回は、山本さんを応援します」と、語った。
もちろん、エネルギー政策だけが争点ではない。30代主婦は「まだ決めていないけど、子育てを重視してほしい。子どもたちの未来を考えてくれる候補者に投票する」と、子育てに関する政策を優先。50代の男性は、「脱原発を支持したいので、山本くんに入れることを検討しているが、憲法改正を否定しているところは気になる。この3年半の民主党の政治や、自民党の石原さんの実績、安全保障なども含めて、総合的な観点からもう少し考えてから決める」と、話した。
<杉並は国民運動の発祥地>
杉並区はかつて、原水爆禁止運動の発祥地となった。1954年、アメリカの行なった水爆実験による第五福竜丸の被災(乗組員が被ばく)をきっかけに、杉並区の主婦たちが始めた水爆禁止署名運動が2,000万人を超える全国的な署名運動に広がり、大規模な国民平和運動となった。
山本氏は、「市民の声を杉並で上げましょう。この杉並区から、脱原発の声を全国に広げていきたい」と、あえて強敵のいる杉並区から立った理由を説明した。「東京最強」の石原氏に勝つことが、大きな波を起こすきっかけになる。
ボランティアや市民による手作りの選挙が、長年の組織、団体による選挙に勝てるのか。脱原発を求める市民の声が、7期連続で敗れたことがない石原氏を打ち破ることはできるのか。東京8区、杉並から脱原発の風が吹くかどうか、注目だ。
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