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飯田哲也氏・激動の2012年「これからが始まり」(5)
政治
2013年1月 2日 07:00

<新しい地域社会構築のために>
iida_2.jpg 飯田哲也氏が重きを置くのは、「脱原発」というだけではなく、むしろそこから先。原発を廃炉にし、自然由来の再生可能エネルギーにシフトしていく。その過程で、太陽光、風力など小規模分散型のエネルギーの開発。エネルギーで自立し、経済を地方で循環させる。地域で循環型の経済を立ち上げ、活性化させること。
 北欧やアメリカ、カナダでエネルギー革命が進む様子を直に見てきた飯田氏は、「政策で、街のにぎわいを取り戻すことは可能だ」と言い切る。クリーンエネルギーの市場は、今後200兆円規模に成長すると見られている。日本はこのままでは、その流れに乗り遅れることになる。

 すでにスウェーデンなどヨーロッパでは、「第4の革命」と呼ばれるエネルギー革命が着々と進んでいる。「第4の革命」とは、農業革命、産業革命、IT革命に次ぐ、再生可能な自然エネルギーの躍進を指す。
 飯田氏は、この「第4の革命」は、3つの要素から成り立つと指摘している。エネルギー供給の本流へと急拡大している自然エネルギーの革命。産業・経済・雇用面での新しいグリーン経済革命。地域自立・地域分散型の分散ネットワーク型革命の3つだ。

 ドイツでは、国家を挙げて長期的な計画を立案、エネルギーシフトが実現しつつある。カナダのオンタリオ州では州政府が09年にグリーンエネルギー法を策定。風力、太陽光発電など関連産業に投資が入り、州政府によると約2兆1,800億円を超える経済効果と約2万人の雇用を生みだした。再生可能エネルギー買い取り政策が追い風となり、関連産業は急成長。地域の人が主体的に関わることで、小中規模の経済圏の中でお金と雇用がうまく循環し、地域が盛り上がった。カナダは資源が豊富なエネルギー大国でありながら、政策によって、太陽光、風力、バイオマスなど再生可能エネルギー発電を普及拡大させ、クリーンな電源の開発に成功している。

 日本で、地方からのエネルギー維新を実現することにこだわる飯田氏は、故郷・山口でのネットワークづくりにまい進した。自身が核になり、地方から小さな変化を起こしていく。地道な活動をスタートした。

(つづく)
【岩下 昌弘】

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