大阪市に本社を構え、IT活用によりモデルハウスなどの空間を3次元化し提供する事業を展開している(株)プロシード。同社は2008年からラオスでゴム園を中心とした大規模農業に取り組み始めた。なぜラオスで、しかも農業なのか。同社代表の秦立氏に話を聞いた。
2008年、ラオスで教育事業を始めようと考え、現地を視察。そこでわかったことは、富裕層は海外留学に行くものの、ほとんどの低所得者層は学校に通う学費も払えないということだった。
ただラオスには素晴らしい自然がある。近年開発により森林伐採、焼畑農業などで環境破壊が目立つようになっていたが、そこで環境ビジネスを始めてみてはどうかと考えた。
そんなとき、チャンスが訪れる。ラオス政府の政策と合致し、08年に30年契約でウドムサイ県に2,000haもの土地を借りることができたのだ。業務提携した農家には土地を提供してもらい、それ以外に必要な技術や機材、資材などを同社が提供する。ゴムに注目したのは収益に繋がるまでの時間が長いが、木を植えるだけでもまず環境保全に貢献できるからだ。30年間という長期契約ができたので、資源として長いスパンで収益を得られる。
特別な技術も必要ではない。葉物野菜のように、水や温度の管理を徹底する必要がないからだ。ラオスには海がなく、輸送にも気を使う。冷蔵輸送などもまだまだ導入できないので、生産物も限られる。
ゴムの樹液を収穫できるまで約7年かかる。その後は収穫技術の向上など課題は多く、当面は収益が望めない。だが「最初の投資は大きいが、長くじっくり付き合える」と秦社長。それほどの覚悟と資本的な体力が必要だ。ゴムの樹液は自社で回収し、中国に関税なしで輸出することになっているという。ラオスに注目した理由は中国の雲南省と陸続きで、距離的な優位性があるからだ。
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<COMPANY INFORMATION>
(株)プロシード
代 表:秦 立
本社所在地:大阪市北区梅田1-1-1000大阪駅前第1ビル
設 立:2007年4月
資本金:1,000万円
事業内容:ITを活用したモデルハウスの3次元化ほか
URL:http://www.procedo.co.jp/
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